②資料3-2ノラネコ対策における農地でのモニタリング結果|令和6年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会まとめ

よし!じゃあ今日は、「資料3-2ノラネコ対策における農地でのモニタリング結果」をまとめていくよ~!

今回は資料順にまとめるわけじゃないから、めちゃくちゃ見にくいかもしれないけど、私のモチベーション優先した結果なので許してね!

ではまとめていきます。

目次

ノラネコ対策における農地でのモニタリング結果

4.まとめ

※まとめは本来資料の一番終わりにありますが、わかりやすさ重視で最初の方にもってきています。

  • 農地におけるネコのモニタリング
    • 2023年4月よりセンサーカメラを用い開始
    • 結果:ノラネコ290頭と外飼い猫64頭が撮影され多くのネコが農地を利用していることを確認
  • 撮影されたノラネコや外飼い猫
    • 多くは「農地内部」で撮影
    • 農地内を中心に生息している個体が多く存在することが明らかに
    • ノラネコ:「その他(集落間や漁港など)」や「全て」で撮影されているネコも一定数存在、広く行動
  • 農地内部や集落間で確認されたノラネコ
    • 不妊化率低い
    • ノラネコ対策未着手エリアでの対策実施の必要性が明確に
    • 居住エリアと接する「農地辺縁部」撮影のネコの不妊化率は高い
    • 居住エリアのノラネコ対策の結果を反映していると考えられる
  • 農地モニタリング
    • ノネコカメラでネコが撮影されていた割合は、ノラネコ34.4%、飼い猫24.0%
      • 農地利用のネコは未不妊個体が多い
      • 農地内で繁殖したネコがノネコの発生源の一つになってる可能性が示唆
      • ノネコカメラで撮影された外飼い猫も多い
      • 室内飼養の徹底の必要性が明らか
  • ノラネコ対策が未着手だったエリア
    • 多くの未不妊ネコが確認された
    • ノネコの発生源として農地でのネコの管理(不妊化)、漁港などを含む対策の空白エリアをなくしていく重要性が明らかに
    • 居住エリアと森林域の間に広がる農地は、ノネコとして確認されている個体が多い
    • これらのネコの扱い・ネコ対策の進め方については検討が必要

1.これまで対策空白地であった農地について

いままで…
  • 奄美大島ねこ対策協議会によるノラネコ対策事業(2019年6月~)は基本的に集落内住居エリアに生息するネコ対象で発生源対策(モニタリングやTNR)をしてきた
  • 農地全域を対象としたモニタリング・TNRは未実施
  • 住居エリアとノネコ対策実施中の森林域の間に広がる農地にネコが生息しているのは分かっていた
重要性が見えてきた…
  • 農地生息のネコを把握することは、ノネコ発生源対策として重要
  • 居住エリア対策が進んだ2023年4月から、農地・対策未着手エリアでの本格的なモニタリング・TNRを開始

資料には地図があり、農地エリアはここだよって色分けで表示されているんだけど、確かに森林と農地近いっていうか、農地が森林に囲まれているよ!ここにネコいたら、森林へのネコへの供給は終わらないよなあ……。

2.農地モニタリングの目的と手法

目的
  • 農地を利用するネコの把握
  • 集落と農地往来ネコも対象
  • その他対策未着手エリアの漁港・集落間などを利用するネコの把握
  • モタリングで確認済み未不妊ネコのTNR
手法
  • センサーカメラを子密度に短期間設置、対象エリア利用ネコを撮影
  • 設置場所:農地内部・農地辺縁地(居住エリアと接する農地の辺縁部)・その他(集落間・漁港など農地以外の未対策エリア)
  • 不妊化の有無(耳カット判断)で確認、誘因餌使用し撮影
  • 農地内:フラッシュ使用夜間でもカラー撮影可能なカメラ
  • 集落近く:撮影が迷惑になるので、フラッシュなし白黒撮影できるカメラ設置
  • 撮影されたネコ:個体識別、居住エリアで確認したノラネコやノネコと照合
  • 未不妊個体:TNR実施
  • 外飼い猫と判断する:首輪装着の有無・条例で決められている飼い猫登録や住人から得られた情報をもとに判断
  • ノネコ対策のセンサーカメラ(ノネコカメラ)で撮影・個体識別されたデーター(毛色・撮影エリアの情報)をもとに照合
  • センサーカメラの設置およびそれを用いた調査:対象集落の行政・区長・住民に事前説明をし実施

丁寧さを感じるとテンションあがっちゃうよね。スタンディングオベーションできる空気だったらやってた。

3.農地モニタリングの結果

3-1.設置結果

  • 2023年4月~2024年12月の期間に農地モニタリングを64集落で実施(下の表)
    • 100%達成:奄美市住用・大和村・宇検村
      • ↑集落数が多くないため
    • 58.2%達成:市街地を除く5市町村全集落における実施率
  • モニタリング対象となった農地面積:合計19.3㎢
  • 総カメラ日:5,369日
  • のべ817台のセンサーカメラを設置(1台あたり平均設置日数6.5日)
  • 設置地点:全カメラの75.0%が農地内部
農地モニタリングにおけるカメラの設置状況
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カメラ台数
市町村実施集落数実施率農地面積(㎢)合計農地内部農地辺縁部その他カメラ日
奄美市笠利850.0%9.8431425039251,991
奄美市名瀬216.7%0.34271926112
奄美市住用12100.0%2.4311697136698
龍郷町1164.7%2.381357439221,157
大和村11100.0%1.166850711484
瀬戸内町625.0%0.82574359335
宇検村14100.0%2.2910080713592
合計6460.4%19.26817613112925,369
割合75.0%13.7%11.3%

3-2.撮影結果

  • 設置した817台のうち597台(73.1%)でネコが撮影
  • 1集落を除く63集落(98.4%)でネコの撮影
  • 撮影されたネコ:ノラネコ290頭・外飼い猫64頭で計354頭
農地モニタリングでのネコの撮影結果
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ノラネコ外飼い猫
市町村頭数割合頭数割合合計
奄美市笠利8579.4%2220.4%108
奄美市名瀬440.0%660.0%10
奄美市住用3683.7%716.3%43
龍郷町8489.4%1010.8%93
大和村1878.3%521.7%23
瀬戸内町3890.5%49.5%42
宇検村2571.4%1028.6%35
合計29081.9%6418.1%354
撮影された地点を個体別にみると…
  • ノラネコ・外飼い猫ともに農地(内部・辺縁部)を利用する個体が多くいることが確認された
  • ノラネコ
    • 「農地内部」で撮影された頭数が最も多い
    • 「内部・辺縁部」と「辺縁部」が同数で次に多い結果
    • 「その他」や「全て」で確認された個体は外飼い猫より多い傾向
  • 外飼い猫
    • 「内部」・「辺縁部」の順で撮影個体が多くなっていた
農地モニタリングで確認されたノラネコの不妊化率
撮影されたネコの不妊化の有無を耳カットにより識別した結果…
  • ノラネコ290頭のうち73頭(25.2%)が未不妊
  • 撮影場所別の不妊化率
    • 農地内部68.1%
    • 農地辺縁部95.7%
    • 農地内部での不妊化率が低い(←!)
  • 実施集落の45.3%で未不妊ネコが撮影
  • 奄美市名瀬では未不妊ネコが確認されていない
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市町村実施集落数未不妊ネコ確認集落数不妊未不妊 合計
奄美市笠利87543185
奄美市名瀬20404
奄美市住用12429736
龍郷町116681684
大和村11314418
瀬戸内町6432638
宇検村14516925
合計642921773290
割合45.3%74.8%25.2%
ノラネコ・ノネコカメラとの照合結果

※ノネコカメラ:ノネコ対策のセンサーカメラ

ノラネコ・ノネコカメラとの照合結果
  • ノラネコ対策で撮影された全個体(354頭)
    • ノネコ対策のセンサーカメラで撮影されたネコと照合した結果、ノラネコ51頭・外飼い猫6頭がノネコカメラで撮影されていた
    • ノネコ対策未実施エリアにある集落(奄美市笠利と龍郷町・瀬戸内町・宇検村の一部)の確認頭数を除くと、ノネコカメラで撮影されたネコの割合はノラネコ34.4%、外飼い猫24.0%
  • 今回の農地モニタリングで確認されたネコ
    • うち19頭(37.3%)は、その後森林域に設置されたノネコ用わなで捕獲されている
  • ノラネコおよびノネコカメラ両方で撮影されたノラネコ43.1%(22頭)は未不妊
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ノラネコ外飼い猫
市町村ノネコカメラノネコカメラノラネコカメラノネコカメラ
奄美市名瀬4160
奄美市住用36672
龍郷町381620
大和村181253
瀬戸内町28421
宇検村231230
合計14751256
割合34.7%24.0%

質疑応答のコーナー

ノネコ検討会では、資料の説明後に質疑応答コーナーが設けられているので、その中であったものを覚えているだけ紹介します。


非常に重要な取りまとめだった。いままで森林部や居住エリアの対策が実は十分ではなくて農地エリアには対応できていないネコがいて発生源になっているんじゃないかというのはとても重要。農地のネコはなぜ多いのか?動物がいるのか、エサやりがいるのか。多いので、エサやりがいるんじゃないのかと思うが、調査してどうだったか知りたい。

農地も様々。農地によってハブ・ネズミ対策としてあえて農地でネコを飼ってたり放し飼いするという感じでエサをやっている方も少なくない。このような状況が農地のネコの多さに直結しているのではないかと思っている。また、ネズミが多い、エサやりが多いことから、可愛がられてないけどネコが定着しやすい状況があると大いに考えられる。

エサやりされているのであれば普及啓発などの取り組みが大事なのかなと思いました。ありがとうございました。


本当にノネコ対策の中で発生源というのが明らかになったと思う。ノラネコという扱いをきっちりしたほうがいいということをこれまで言ってきているが、具体的に奄美大島、他の島もそうだとは思うが、ノラネコ対策を法律的にもやはりしっかりしていかないといけない。外来生物法、愛護法、ノネコに関しては狩猟鳥獣管理法がベースだと思うが、ノラネコに関しては法的には無法地帯である。奄美大島のこの6年半の取り組みで浮き上がってきた問題、各地域でも共通した問題だと思う。今後もデータ収集していく上で方向性についても課題になってくると思うがどうか。

法的解釈等は出先では答えられないが、お話しは伺ったので本庁と話し合っていきたい。


農地にネコがいるということは大事なことだと思う。資料3-1(※現時点ではまだまとめていないところです)の、不妊化率の分母に農地のネコは入っているのか?

2023年度以降に実施した集落に関しては農地の数値も反映しているが、まだ始めて1年ちょっとなので、できてない集落もある。農地でのモニタリングに関して今後とも重点的に進めていくので、全てのエリアでの不妊化率も出せるようになるのではないかと考えている。

内部や辺縁部というのは、内部と辺縁部に差がでたという意味合いか?

一個体ずつがどこのカメラで写っていたかで集計している。なので農地辺縁部で映っていた数値と受け取っていただければと思う。

辺縁部というのは行き来している可能性があるという認識で良いか。

居住エリアにはカメラはおいていないので、辺縁部に写っていたネコは集落からきて農地に向かっているネコが大半ということなので、カメラの結果としては辺縁部のみとはなるが集落からきているという解釈をしていただけたらと思う。


今日の会議はネコの捕獲に関する会議だが、森林地域のノネコの課題は、ワナをはっても中々とれない、下から上がってくるネコが捕獲されていること。発生源対策がきちっとできていないと森林地域でいくら対策してもいくらやっても終わらない。今まで以上に森林地域のノネコ対策と発生源対策の深い連携が必要であることが改めて示された。

おわり!

資料3-2である、ノラネコ対策における農地でのモニタリング結果についてはこれでおわりです!

やーお疲れ様でした。

今回、ここが個人的に一番熱かったな~!と思っていたので、なんとかまとめられて満足しております。
ただ質疑応答のコーナーは、聴き間違いとかもあると思うので、その点含めてご容赦くださいね。

こういう対策って、「こうしたらいいじゃん!」「ああしたら早いのになんでやらないんだよ!」って机上の空論が飛び交う話題のひとつでもあるけど、実際いろんな人間がたくさんいて、色んな背景もあるからこそ一筋なわじゃいかないんですよね。

けれどこうやって丁寧に進めていること、とてもとてもすごいなと思います。

ではまた~☆

サイトの管理人

奄美大島在住。生き物ニワカ勢です。ネコも割と好き。イヌも可愛いと思うし、クロウサやカエルやヘビも好きだし、でも名前が覚えられないからずっとニワカ。そのへんにいます。検討会行ってるのはただの趣味。色々思うことはあるけど、思うことがあるだけで覚えてないので言えることがあまりない毎日を過ごしています。でも楽しいです。

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