「令和4年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会」があったので参加してきました。
いやー、年々データの積み重ねにより内容が濃く、深くなっていくので今年ももはや私の理解を超えている部分が沢山ありましたね。
正直まとめる自信がありません。
ですが今年もできる限りまとめます。
- スマホに配慮してません
- 素人がまとめたものです
- このサイトは公式サイトではありません
- できるだけ簡潔にまとめたいと、あれこれ端折ってる箇所があります
- 書いた人はノネコの看板背負ってません←最重要
令和4年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会の流れ
- 開会
- 環境省挨拶
- 出席者紹介・注意事項の説明
- 議事
- ノネコの捕獲作業およびモニタリング結果について
- ノネコ識別個体データによる行動圏解析について
- 在来種モニタリング状況について
- 発生源対策の進捗について
- 今後の作業方針について
- その他
- 閉会
大体毎年この流れですね。
「なんか人少ない気がするなあ。」と思ったのですが、コロナ対策でWeb参加の方が多かったので会場にはあんまりいなかったようです。
※Web参加は一般の人ではなくてノネコ管理計画に携わっている人のみOK
ぜんぶで100人くらい参加してたとのことで。
すごい。
資料は色は、グラフとか色がついてて見やすいなあと感じました。
議事の「資料②ノネコ識別個体データによる行動圏解析」については、資料に公開できないデータがあるとのことで、「資料②ノネコ識別個体データによる行動圏解析」が終わってすぐに回収していました。
猫がどの位置にいるかなどが詳細に記されているなどの関係で公開できないのだと思いますが、回収される前にまじまじ見たあの資料すごかったな。
いつか(管理計画が終わって、ノネコ問題も落ち着いた頃合いなどで)世界も驚くようなデータとして公開されるんでしょうかね?そうだと良いな。
議事①ノネコの捕獲作業およびモニタリング結果について
「ノネコの捕獲作業およびモニタリング結果の内容」ではどんな話があったのか、資料目次一覧見るだけで大体の内容(話されたこと)はわかるな、と思ったので資料の目次一覧を書き出してみました↓
- 今年度の作業方針
- 作業地域概要
- 作業内容概要
- 重点捕獲地域と低密度維持地域の作業内容
- 〇捕獲作業内容
- センサーカメラによるノネコのモニタリング方法
- 〇個体識別によるノネコの生息状況の把握
- 〇個体識別によるノネコの動態の把握
- 重点捕獲地域と低密度維持地域の作業内容
- 作業地域の評価方法
- 重点捕獲地域から低密度維持地域への移行
- 低密度維持地域における低密度維持状態の評価
- ノネコの捕獲作業およびモニタリング
- 捕獲作業地域全体の作業結果
- 捕獲作業地域全域の捕獲作業結果
- 捕獲作業地域全域のノネコモニタリング結果
- 重点捕獲地域の作業結果
- 重点捕獲地域概要
- 重点捕獲地域全域の捕獲作業結果
- 重点捕獲地域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
- 重点捕獲地域の確認個体数と残存個体数
- 重点捕獲地域全域のまとめ
- 低密度維持地域の作業結果
- 低密度維持地域概要
- 低密度維持地域全域の捕獲作業結果
- 低密度維持地域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
- 低密度維持地域全域の確認個体数と残存個体数
- 低密度維持地域のまとめ
- 捕獲作業地域全体の作業結果
- 混獲状況
- 混獲対策の実施状況
- 混獲状況とわなの稼働率(事業開始時からの年度ごとの比較)
- まとめ
毎年思うけど、最初にめっちゃ濃いのがきますね。
これらを私なりにまとめていきます。(できれば箇条書き多めで)
1.今年度の作業方針|1-1作業地域概要
- 2018年~2020年まで
- 捕獲作業地域は3次メッシュ単位で設定

道路が複数の作業地域に跨っている……これだと道路を移動するノネコの捕獲状況・捕獲効果を検証しづらい!
↓改善
- 2021年から
- 捕獲作業を奄美大島全域へ展開するにあたり
- 地域内の道路がなるべく途切れない
- わなが道路全体に設置されるように見直し
- 新たな捕獲作業地域
- 奄美大島を国道・県道・長距離林道・交差点・河川などで区切る
- 計21地域
- 各地域の面積は30~50㎢程度
- 作業道路の総延長距離16~63km程度
- 捕獲作業を奄美大島全域へ展開するにあたり
- 2022年4月~10月
- ノネコの低密度化を目指す重点捕獲地域
- 金作原・三太郎・小湊・山間・湯湾岳・大和北(6地域)
- ノネコの低密度維持地域
- 瀬戸内・篠川・網野子・赤房(4地域)
- ノネコの低密度化を目指す重点捕獲地域
- 11月以降
- 金作原・三太郎・小湊・山間の4地域を低密度維持地域へ移行
- 宇検・大和南を重点捕獲地域に加えた
- 作業地域全体の面積424.8㎢
- 作業道路距離409.0km
- 捕獲作業を始めた月
- 大和北地域:5月
- 宇検地域:11月
- 大和南地域
- ノネコの確認がないので捕獲作業を実施せず
- 動撮影カメラ(センサーカメラ)でのモニタリング
2022年4月~10月
重点捕獲地域の面積と作業道路の長さ
地域 | 面積(㎢) | 作業道路(km) |
---|---|---|
金作原 | 41.2 | 33.6 |
三太郎 | 32.4 | 35.9 |
小湊 | 18.6 | 27.0 |
山間 | 38.3 | 20.8 |
湯湾岳 | 33.3 | 55.1 |
大和北 | 32.7 | 51.1 |
低密度維持地域の面積と作業道路の長さ
地域 | 面積(㎢) | 作業道路(km) |
---|---|---|
瀬戸内 | 73.3 | 58.4 |
網野子 | 26.5 | 31.1 |
篠川 | 43.1 | 30.9 |
赤房 | 31.9 | 11.4 |
2022年11月以降
重点捕獲地域の面積と作業道路の長さ
地域 | 面積(㎢) | 作業道路(km) |
---|---|---|
湯湾岳 | 33.3 | 55.1 |
大和北 | 32.7 | 51.1 |
宇検 | 34.9 | 39.9 |
大和南 | 18.7 | 13.7 |
低密度維持地域の面積と作業道路の長さ
地域 | 面積(㎢) | 作業道路(km) |
---|---|---|
瀬戸内 | 73.3 | 58.4 |
網野子 | 26.5 | 31.1 |
篠川 | 43.1 | 30.9 |
赤房 | 31.9 | 11.4 |
金作原 | 41.2 | 33.6 |
三太郎 | 32.4 | 35.9 |
小湊 | 18.6 | 27.0 |
山間 | 38.3 | 20.8 |
1.今年度の作業方針|1-2作業内容概要
1-2-1.重点捕獲地域と低密度維持地域の作業内容
概要
2018年~2020年度
旧捕獲作業地域 | |
---|---|
作業地域 | 1~4 |
捕獲 | わな数の目安:年間800TD/作業メッシュ 作業頻度:毎月 稼働日数:約3週間/月 |
モニタリング | カメラ数の目安:2台/作業メッシュ 点検頻度/1回/月 |
2021年4月~2022年10月
重点捕獲作業地域 | 低密度維持地域 | |
---|---|---|
作業地域 | A|湯湾岳 B|金作原、三太郎、大和北 C|小湊、山間 ※大和北は5月から作業開始 | A|瀬戸内、網野子、篠川、赤房 B|集落から山域につながる作業道路 C|山域の作業道路 |
捕獲 | ・わな数の目安 A|3.7基(年間800TD)/作業メッシュ B/C|2基 ・作業頻度 AB|毎月 C|隔月 ・稼働日数 約3週間/月 | ・わな数の目安 1基/km ・作業頻度 AB|毎月 AC|約6か月に1度 ・稼働日数 約3週間/月 |
モニタリング | ・カメラ数の目安 1台/作業メッシュ ・点検頻度 1回/月 | ・カメラ数の目安 1台/作業メッシュ ・点検回数 1回/月 |
2022年11月~
重点捕獲作業地域 | 低密度維持地域 | |
---|---|---|
作業地域 | 湯湾岳、大和北、宇検、大和南 ※大和南はモニタリングのみ実施 | A|金作原、小湊、三太郎、山間、瀬戸内、網野子、篠川、赤房 B|集落から山域につながる作業道路 C|山域の作業道路 |
捕獲 | ・わな数の目安 2基/km ・作業頻度 毎月 ・稼働日数 約2~3週間/月 | ・わな数の目安 1基/km ・作業頻度 AB|毎月 AC|約6か月に1度 ・稼働日数 約2~3週間/月 |
モニタリング | ・カメラ数の目安 1台/作業メッシュ ・点検頻度 1回/月 | ・カメラ数の目安 1台/作業メッシュ ・点検頻度 1回/月 |
捕獲作業内容
重点捕獲地域
- わな数の目安
- 2022年10月まで
- 湯湾岳:年間800TD/作業メッシュとなる約3.7基/作業メッシュ
- それ以外:作業道路1kmあたり2基
- 2022年11月以降
- 湯湾岳地域含むすべての地域:作業道路1kmあたり2基
- 2022年10月まで
- 捕獲作業の期間
- 各月の連続した約3週間
- 2022年10月まで毎月作業:湯湾岳・金作原・三太郎・大和北
- 2022年10月まで隔月で交互に作業:小湊・山間
- 2022年11月以降:全ての重点捕獲地域を毎月作業・捕獲作業期間は2~3週間とした
低密度維持地域
- わな数の目安
- 1kmあたり1基
- 作業道路はセンサーカメラの撮影状況・目撃情報を参考に稼働させるわなを決定
- 侵入個体抑制のため集落から山域につながる道路で捕獲圧をあげて作業
- 捕獲作業の期間
- 作業道路ごとに約6か月に一度の頻度で稼働



なんか……捕獲精度めっちゃ上げてきてるんだな!って聞いてて思った。
センサーカメラ設置密度
- 2020年度まで
- 2台/作業メッシュを目安に設置
- 2021年度以降
- リサンプリング法等の結果から設置目安の見直し
- 1台/作業メッシュ密度でセンサーカメラを設置・モニタリング
1-2-2.センサーカメラによるノネコのモニタリング方法
個体識別によるノネコの生息状況の把握
- センサーカメラの画像データを毎月回収、月ごとに集計
- 撮影されたノネコ
- 模様や毛の色、体サイズ、撮影地点、場所を総合的に判断し識別
- 昨年度まで:識別撮影率をカメラ単位で個体数集計
- 今年度から:地域単位で個体数の集計
- 少数個体による極端な変化が緩和
- 個体数を反映した撮影率になることを期待
- 撮影されたノネコ
- 識別撮影率(地域単位)
- 識別個体ののべ滞在日数÷評価対象地域の総カメラ日×100
- 評価対象地域→全域・重点捕獲地域・低密度地域
- 個体識別ののべ滞在日数
- 同一地域のセンサーカメラで同一個体が同日に複数回撮影されると1回の撮影として集計
- 黒猫・白猫
- 個体識別が困難なので、複数撮影された場合も1個体と計上
個体識別によるノネコの動態の把握
- 捕獲作業地域の識別個体数・捕獲個体数を月別集計
- 「識別個体+撮影なし捕獲個体(撮影されず捕獲された個体)=確認個体」として月ごと集計、撮影状況の整理
- 初めてセンサーカメラで撮影されてから60日以上経過している
- 撮影された場所付近で1わな日以上の捕獲圧をかけても捕獲されていない



慎重な猫は普段食べなれているもの(山の生き物)だけを口にして、見慣れない罠のごはんには手を出さないのかもね。
1.今年度の作業方針|1-3.作業地域の評価方法
1-3-1.重点捕獲地域から低密度維持地域への移行
- 重点捕獲地域から低密度維持地域へ変更する際の指標
- 捕獲作業を続けても捕獲がほぼない(捕れどまり)
- CPUEが1.00以下で推移している状態が続く
- CPUE=捕獲数÷わな日×1000
- 移行可能かの判断基準
- 確認個体数
- 作業道路距離1kmあたりの残存個体数
- 残存個体の内訳
- 識別撮影率(地域単位)
- 周辺地域のノネコ撮影状況・発生源対策の進捗など踏まえて移行できるか総合的に判断
- 重点捕獲地域から低密度維持地域への移行
移行評価方法まとめ
- 評価期間(10月~3月の冬季を含んだ6か月以上・または1年)
- 捕獲作業の移行検討タイミング
- 指標1:累積捕獲数・累積わな日の関係
捕獲作業を続けても捕獲がほぼない状態が6か月以上 - 指標2:山間部のCPUE(移動平均前後1ヶ月)
山間部における前後1か月の移動平均のCPUEがおおよそ6か月の間、低値(1.00以下程度)
- 指標1:累積捕獲数・累積わな日の関係
- 捕獲作業の移行の判断基準
- 指標1:確認個体または残存個体数÷作業道路距離(km)
個体数の減少傾向がみられる・少ないままである
※確認個体数=識別個体数(撮影された個体)+撮影無捕獲数(撮影されずに捕獲された個体)=地域内で確認された全個体数 - 指標2:残存個体の内訳
※残存個体数の内訳を精査、残存個体数過半数がトラップシャイ個体の状態 - 指標3:識別撮影率(地域単位)=識別個体ののべ滞在時間÷カメラ日×100
識別個体の滞在率が6か月以上低地で推移、または低いまま
※識別個体ののべ滞在日数=各識別個体の該当地域での確認日数を合算
- 指標1:確認個体または残存個体数÷作業道路距離(km)
すべての指標を満たしていなくても、残存個体の動態・周辺地域の状況を考慮して総合的に判断。
1-3-2.低密度維持地域における低密度維持状態の評価
- 低密度維持状態の評価
- 指標1:確認個体数または残存個体数÷作業道路距離(km)
個体数の増加傾向がみられないまたは少ないまま
逸脱状態の判断:残存個体数の増加が6か月以上続いている - 指標2:残存個体の内訳
識別個体の内訳を精査、トラップシャイ個体の増加傾向がみられない
逸脱状態の判断:トラップシャイ個体の増加が6か月以上継続、捕獲できていない - 指標3:識別撮影率(地域単位)=識別個体ののべ滞在日数÷カメラ日×100
識別個体の滞在率の増加傾向がみられないまたは少ないまま
逸脱状態の判断:識別個体の滞在率の増加が6か月以上続いている
※識別個体ののべ滞在日数=各識別個体の該当地域での確認日数を合算
- 指標1:確認個体数または残存個体数÷作業道路距離(km)
低密度から逸脱した状態と判断されたら、ノネコの撮影が多い地点で集中的に捕獲圧をかけ、逸脱前の低密度状態に戻すことに努める。



低密度だから放っとくというわけではなくて、引き続きモニタリングして評価するんだね。
2.ノネコの捕獲作業およびモニタリング|2-1.捕獲作業地域全域の作業結果
2-1-1.捕獲作業地域全域の捕獲作業結果
捕獲作業地域全域の捕獲作業結果
※()内の数字はTNR個体
※捕獲数には手取り及び捕獲作業地域外のピンポイント作業による捕獲は含まれていない
わかりやすいように、イベント発生月の色は赤色に変更しています。
2018年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | – | – | – | 745 | 1,093 | 971 | 801 | 1,513 | 956 | 3,203 | 3,626 | 3,571 | 16,479 |
捕獲数 | – | – | – | 2 | 6(1) | 1 | 4 | 2(1) | 1 | 8(1) | 6(1) | 5 | 35(4) |
CPUE | – | – | – | 2.68 | 5.49 | 1.03 | 4.99 | 1.32 | 1.05 | 2.50 | 1.65 | 1.40 | 2.12 |
1月:捕獲作業地域2開始
2019年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 3,722 | 4,572 | 5,801 | 6,251 | 4,003 | 4,517 | 5,642 | 4,239 | 5,609 | 4,945 | 6,796 | 3,046 | 59,143 |
捕獲数 | 3 | 16(2) | 6(1) | 5 | 2(1) | 3 | 9 | 9(2) | 9(1) | 5(2) | 9(1) | 4(1) | 80(11) |
CPUE | 0.81 | 3.50 | 1.03 | 0.80 | 0.50 | 0.66 | 1.06 | 2.12 | 1.60 | 1.01 | 1.32 | 1.31 | 1.35 |
2020年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 5,348 | 6,506 | 6,583 | 5,931 | 5,801 | 3,7381 | 6,150 | 4,645 | 3,164 | 6,278 | 6,746 | 4,468 | 65,358 |
捕獲数 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 5(1) | 1(1) | 1 | 4 | 2(1) | 2(1) | 21(4) | |
CPUE | 0.19 | 0.15 | 0.15 | 0.17 | 0.34 | 0 | 0.81 | 0.22 | 0.32 | 0.64 | 0.30 | 0.45 | 0.32 |
2021年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 140 | 6,485 | 6,430 | 4,445 | 8,158 | 6,969 | 8,525 | 6,317 | 4,605 | 6,124 | 6,560 | 4,314 | 69,072 |
捕獲数 | 2(1) | 14(3) | 16(4) | 4(2) | 8(2) | 6(2) | 11(3) | 18(8) | 15(5) | 7(5) | 12(7) | 8(6) | 121(48) |
CPUE | 14.29 | 2.16 | 2.49 | 0.90 | 0.98 | 0.86 | 1.29 | 2.86 | 3.26 | 1.15 | 1.83 | 1.86 | 1.75 |
2022年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 1,773 | 7,954 | 7,585 | 8,918 | 5,143 | 5,236 | 5,849 | 5,482 | 6,945 | – | – | – | 54,885 |
捕獲数 | 5(1) | 18(11) | 6(2) | 5(4) | 2(0) | 0 | 5(2) | 15(8) | 17(7) | – | – | – | 73(35) |
CPUE | 2.82 | 2.26 | 0.79 | 0.56 | 0.39 | 0 | 0.85 | 2.74 | 2.45 | – | – | – | 1.33 |
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
全期間合計 | |
---|---|
わな日 | 264,937 |
捕獲数 | 330(102) |
CPUE | 1.25 |
検討会当日の追加情報:2023年1月の捕獲数は9個体、累計400個体を超えている
- 2018年7月から2022年12月末まで、ピンポイント捕獲と手取り捕獲を除き264,937わな日の捕獲努力量をかけて330個体を捕獲し、CPUEは1.25
- 2022年度は4月から12月末まで54,882わな日の努力量、73個体を捕獲しCPUEは1.33
- 捕獲した73個体のうち35個体(48%)がTNR個体
- 手捕り捕獲が4個体、総個体捕獲数は77個体
- 2018年7月~2020年10月までノネコの生息情報があった場所を中心にピンポイント捕獲
- 59個体を捕獲
- 2021年度に手捕り3個体捕獲
- 本事業におけるノネコの総捕獲個体数は396個体
2-1-2.捕獲作業地域全域のノネコのモニタリング結果
捕獲作業地域全域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
わかりやすいように、イベント発生月の色は赤色に変更しています。
2018年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 631 | 636 | 750 | 742 | 736 | 720 | 761 | 742 | 1,316 | 1,347 | 1,206 | 1,351 | 10,938 |
識別個体の滞在日数 | 96 | 78 | 62 | 79 | 51 | 35 | 47 | 12 | 93 | 108 | 51 | 54 | 766 |
識別撮影率(地域単位) | 15.21 | 12.26 | 8.27 | 10.65 | 6.93 | 4.86 | 6.18 | 1.62 | 7.07 | 8.02 | 4.23 | 4.00 | 7.00 |
識別個体数 | 17 | 17 | 15 | 13 | 12 | 7 | 7 | 6 | 16 | 24 | 12 | 14 | 69 |
識別個体の捕獲数 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 | 3 | 1 | 0 | 5 | 6 | 4 | 25 |
1月:捕獲作業地域2開始
2019年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 1,564 | 3,032 | 3,144 | 3,249 | 2,549 | 2,499 | 2,765 | 2,832 | 2,923 | 2,962 | 2,784 | 3,006 | 33,309 |
識別個体の滞在日数 | 104 | 292 | 176 | 165 | 109 | 104 | 165 | 244 | 202 | 161 | 156 | 128 | 2,006 |
識別撮影率(地域単位) | 6.65 | 9.63 | 5.60 | 5.08 | 4.28 | 4.16 | 5.97 | 8.62 | 6.91 | 5.44 | 5.60 | 4.26 | 6.02 |
識別個体数 | 28 | 55 | 40 | 36 | 18 | 24 | 35 | 27 | 27 | 20 | 26 | 17 | 120 |
識別個体の捕獲数 | 2 | 10 | 3 | 3 | 2 | 0 | 6 | 5 | 7 | 1 | 9 | 3 | 51 |
2020年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 2,731 | 2,795 | 2,668 | 3,194 | 3,014 | 2,813 | 3,108 | 2,950 | 3,382 | 3,169 | 3,053 | 3,955 | 36,832 |
識別個体の滞在日数 | 105 | 93 | 58 | 82 | 81 | 48 | 117 | 140 | 183 | 171 | 201 | 300 | 1,579 |
識別撮影率(地域単位) | 3.84 | 3.33 | 2.17 | 2.57 | 2.69 | 1.71 | 3.76 | 4.75 | 5.41 | 5.40 | 6.58 | 7.59 | 4.29 |
識別個体数 | 12 | 15 | 15 | 16 | 14 | 17 | 23 | 21 | 23 | 21 | 32 | 47 | 89 |
識別個体の捕獲数 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 3 | 1 | 1 | 4 | 0 | 2 | 15 |
2021年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 4,512 | 5,209 | 5,137 | 5,349 | 5,370 | 5,140 | 5,119 | 5,218 | 5,437 | 5,225 | 5,018 | 5,574 | 62,308 |
識別個体の滞在日数 | 325 | 292 | 175 | 166 | 154 | 177 | 202 | 291 | 339 | 316 | 330 | 386 | 3,153 |
識別撮影率(地域単位) | 7.20 | 5.61 | 3.41 | 3.10 | 2.87 | 3.44 | 3.95 | 5.58 | 6.24 | 6.05 | 6.58 | 6.93 | 5.06 |
識別個体数 | 53 | 52 | 46 | 36 | 30 | 30 | 35 | 49 | 46 | 31 | 40 | 55 | 193 |
識別個体の捕獲数 | 1 | 12 | 9 | 2 | 7 | 3 | 5 | 13 | 14 | 6 | 8 | 6 | 86 |
2018年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 6,720 | 6,877 | 6,591 | 6,538 | 6,758 | 6,400 | 6,678 | 7,773 | 8,089 | – | – | – | 62,424 |
識別個体の滞在日数 | 493 | 354 | 270 | 234 | 286 | 243 | 388 | 409 | 468 | – | – | – | 3,145 |
識別撮影率(地域単位) | 7.34 | 5.15 | 4.10 | 3.58 | 4.23 | 3.80 | 5.81 | 5.26 | 5.76 | – | – | – | 5.04 |
識別個体数 | 65 | 64 | 54 | 44 | 43 | 39 | 47 | 63 | 63 | – | – | – | 168 |
識別個体の捕獲数 | 4 | 15 | 5 | 5 | 2 | 0 | 4 | 13 | 13 | – | – | – | 61 |
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
全期間合計 | |
---|---|
カメラ日 | 205,811 |
識別個体の滞在日数 | 10,649 |
識別撮影率(地域単位) | 5.17 |
識別個体数 | 511 |
識別撮影率(地域単位) | 238 |
- モニタリング開始2018年4月~2022年12月末までの識別個体数は計511個体
- 識別個体の捕獲数は238個体(47%)
- 2022年度
- 62,424カメラ日
- 滞在日数3,145日
- 識別撮影率(地域単位)は5.04
- 捕獲作業地域拡大した5月は64個体で、10月までに47個体へ減少
- 11月に作業地域移行・拡大して12月時点で63個体の識別個体数
- 4月から12月までの識別個体数合計168個体
- 内61個体(36%)を捕獲



これだけの数、識別するってのがもうすごい……そしてやっぱり、捕獲したら識別個体も減るんだね。捕獲しても猫は増えるからと言われたことがあるんだけど、こう見るとやっぱり捕獲の効果はあるなあ。
2.ノネコの捕獲作業およびモニタリング|2-2.重点捕獲地域の作業結果
2-2-1.重点捕獲地域概要
2022年4月~10月までの作業地域(重点捕獲地域)
地域 | 面積(㎢) | 作業道路(km) |
---|---|---|
金作原 | 41.2 | 33.6 |
三太郎 | 32.4 | 35.9 |
小湊 | 18.6 | 27.0 |
山間 | 38.3 | 20.8 |
湯湾岳 | 33.3 | 55.1 |
大和北 | 32.7 | 51.1 |
合計 | 196.6 | 223.6 |
2022年11月以降の作業地域(重点捕獲地域)
地域 | 面積(㎢) | 作業道路(km) |
---|---|---|
湯湾岳 | 33.3 | 55.1 |
大和北 | 32.7 | 51.1 |
宇検 | 34.9 | 39.9 |
大和南 | 18.7 | 13.7 |
合計 | 119.5 | 159.8 |
- 2022年度
- 昨年度から継続して湯湾岳・金作原・三太郎・小湊・山間の5地域+大和北地域を加えて作業開始
- 大和北地域は4月から全域でモニタリング開始、5月から捕獲作業開始
- 2022年11月から
- 金作原・三太郎・小湊・山間の4地域を低密度維持地域に移行
- 新たに宇検地域・大和南地域を重点捕獲地域に加えて湯湾岳・大和北・宇検・大和南で作業実施
- 大和南地域はモニタリングの結果、11月以降ノネコ撮影がないので捕獲作業を行わずにモニタリングのみ実施
2-2-2.重点捕獲地域全域の捕獲作業結果
重点捕獲地域全域の捕獲作業結果
2022年度 | 4 | 5~10 | 11~12月 |
---|---|---|---|
捕獲作業地域数 | 5 | 6 | 3 |
面積(㎢) | 163.8 | 196.6 | 100.9 |
道路距離(km) | 172.5 | 223.6 | 146.1 |
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
2022年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 1,459 | 6,641 | 6,242 | 7,685 | 4,453 | 4,282 | 4,781 | 4,241 | 4,823 | 44,607 |
捕獲数 | 4(1) | 14(10) | 4(1) | 4(3) | 1(0) | 0 | 1(1) | 9(5) | 10(4) | 47(25) |
CPUE | 2.74 | 2.11 | 0.64 | 0.52 | 0.22 | 0 | 0.21 | 2.12 | 2.07 | 1.05 |
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
※()内はTNR個体数
※大和南地域は捕獲作業を実施していないので、11月以降の捕獲作業地域数に含んでいません。
- 重点捕獲地域の捕獲作業
- 4月から12月末まで44,607わな日の捕獲努力量を投入
- ノネコ捕獲数47個体
- TNR個体25個体(53%)
- CPUEは1.05
- 4月から10月にかけて減少傾向
- 捕獲作業地域の移行・拡大があった11月以降は高い値
- 4月と8月から10月は新規捕獲作業地域開始準備や悪天候などでわな日が少ない
- 11月から金作原・三太郎・小湊・山間の4地域が低密度維持地域へ移行
- 新たに宇検地域の作業を開始
2-2-3.重点捕獲地域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
重点捕獲地域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
2022年度 | 4~10月 | 11~12月 |
---|---|---|
モニタリング作業地域数 | 6 | 4 |
面積(㎢) | 196.6 | 119.5 |
道路距離(km) | 223.6 | 159.8 |
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
2022年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 4,289 | 4,403 | 4,239 | 4,152 | 4,243 | 4,028 | 4,278 | 3,175 | 3,330 | 36,137 |
識別個体の滞在日数 | 313 | 178 | 127 | 87 | 151 | 107 | 163 | 218 | 188 | 1,532 |
識別撮影率(地域単位) | 7.30 | 4.04 | 3.00 | 2.10 | 3.56 | 2.66 | 3.81 | 6.87 | 5.65 | 4.24 |
識別個体数 | 42 | 34 | 27 | 22 | 22 | 19 | 23 | 31 | 25 | 97 |
識別個体の捕獲数 | 3 | 11 | 4 | 4 | 1 | 0 | 0 | 7 | 8 | 38 |
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
※白猫・黒猫は個別識別ができないので識別個体の捕獲数には含まず
※重点捕獲地域のモニタリングは4月から6地域で開始
- 識別個体
- 4月時点で42個体
- 10月までに23個体に減少
- 捕獲作業地域を移行・拡大した11月は31個体に増加、捕獲数も増加
- 12月は25個体に減少
- 12月までに識別した97個体中38個体(39%)が捕獲された
- 識別撮影率(地域単位)
- 4月に7.30
- 5月以降は減少、10月時点で3.81
- 捕獲作業地域を移行・拡大した11月以降は再び6.87まで上昇
- 12月は5.65に減少
- 大和北地域
- 5月から捕獲作業を開始したが4月から地域全域でモニタリング開始したので4月の結果に含んでいる
2-2-4.重点捕獲地域の確認個体数と残存個体数
- 確認個体数(識別個体と撮影なし捕獲個体の合計)
- 4月から10月までに42個体から24個体に減少
- 捕獲作業地域を移行・拡大した11月は33個体に増加
- 12月は29個体に減少
- 作業道路1kmあたりの残存個体数(識別個体数-識別個体の捕獲数)
- 4月の0.17個体/kmから10月までに0.10個体/kmに減少
- 捕獲作業地域の移行・拡大した11月は0.15個体/kmまで増加
- 新しい地域では捕獲数も増加する傾向がある
- 重点捕獲地域移行・拡大後もノネコ個体数は減少傾向
2-2-5.重点捕獲地域全域のまとめ
- すべての重点捕獲地域でノネコの撮影・捕獲あり
- 4月から10月にかけて識別個体数が減少
- 11月より金作原・三太郎・小湊・山間の4地域を低密度地域へ移行
- 重点捕獲地域の捕獲個体53%がTNR個体
- 集落・市街地から山域への侵入が示唆される
- 今年度作業を実施した重点捕獲地域7地域中、4地域(小湊・湯湾岳・大和北・宇検)の山域で繁殖(親子同時撮影)・子育て(親猫が餌を運ぶ様子)を示唆する撮影あり
- 捕獲作業地域を拡大すると初期は識別個体数・識別撮影率が増加するが、捕獲数も増加するので識別個体数は減少傾向にある



資料には撮影された画像(日付入り)も載ってたよ。よくネットで出回る写真は古いものが多いけど、やっぱり新しい日付のものもあるんだなあ……。山に侵入する個体がいて、山で繁殖する個体がいるなら、集落・市街地の猫をTNRして万が一山の奥に入っても繁殖しないようにするって方法は本当に理にかなっているよね。
2.ノネコの捕獲作業およびモニタリング|2-3.低密度維持地域の作業結果
2-3-1.低密度維持地域概要
- 2022年度
- 昨年度から継続して作業を継続している瀬戸内・網野子・篠川・赤房の4地域で作業開始
- 11月から金作原・三太郎・小湊・山間の4地域を低密度維持地域に移行
- 計8地域で作業実施



資料には低密度維持地域と重点捕獲地域が地図に色つきで解説があるったよ。色付きで見るとわかりやすいから私も作ろうかな?!って思ったけど、地図苦手マンだからやめたよ。
2-3-2.低密度維持地域全域の捕獲作業結果
低密度維持地域全域の捕獲作業結果
2022年度 | 4~10月 | 11~12月 |
---|---|---|
捕獲作業地域数 | 4 | 8 |
面積(㎢) | 174.7 | 305.3 |
道路距離(km) | 131.8 | 249.2 |
2022年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 314 | 1,313 | 1,343 | 1,233 | 690 | 954 | 1,068 | 1,241 | 2,122 | 10,278 |
捕獲数 | 1(0) | 4(1) | 2(1) | 1(1) | 1(0) | 0 | 4(1) | 6(3) | 7(3) | 26(10) |
CPUE | 3.18 | 3.05 | 1.49 | 0.81 | 1.45 | 0 | 3.75 | 4.83 | 3.30 | 2.53 |
※()内の数字はTNR個体
- 4月から12月末までの低密度維持地域全域
- 10,278わな日の捕獲努力量を投入
- ノネコは26個体捕獲
- うち10個体がTNR個体(38%)
- CPUEは2.53
- 4月
- 2022年度から作業開始の地域のわなの準備・設置・モニタリング作業を優先していたのでわな日が少なかった
- CPUE
- 4月から9月にかけて減少傾向
- 10月以降増加
- 捕獲作業地域を移行した11月以降は捕獲数も増加



捕獲作業地域を移行した11月以降に増加しているってことは、移動してきた個体がいるのかな?って聞きながら思ったよ。こちらについては、こういうことかなあ?っていうのが次の項でちょっとした説明があるよ。(確か質疑応答でもあったような気がするから覚えてたら書くよ)
2-3-3.低密度維持地域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
低密度維持地域の識別個体数と識別撮影率(地域単位)
2022年度 | 4~10月 | 11~12月 |
---|---|---|
モニタリング作業地域数 | 4 | 8 |
面積(㎢) | 174.7 | 305.3 |
道路距離(km) | 131.8 | 249.2 |
2022年度 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメラ日 | 2,431 | 2,474 | 2,352 | 2,386 | 2,515 | 2,372 | 2,400 | 4,598 | 4,759 | 26,287 |
識別個体の滞在日数 | 185 | 178 | 145 | 149 | 136 | 136 | 228 | 203 | 298 | 1,658 |
識別撮影率(地域単位) | 7.61 | 7.19 | 6.16 | 6.24 | 5.41 | 5.73 | 9.50 | 4.41 | 6.26 | 6.31 |
識別個体数 | 25 | 32 | 28 | 24 | 23 | 21 | 27 | 35 | 42 | 89 |
識別個体の捕獲数 | 1 | 4 | 1 | 1 | 1 | 0 | 4 | 6 | 5 | 23 |
※白猫・黒猫は個体識別ができないので識別個体の捕獲数には含まず
- 識別個体数
- 5月の32個体から9月にかけて21個体に減少
- 10月から12月にかけて42個体まで増加
- 2022年度に識別された89個体中、23個体(26%)を捕獲
- 識別個体数と識別撮影率(地域単位)
- 9月にかけて減少
- 10月から12月にかけて識別個体数が増加、5月の水準を上回る
- 11月から重点捕獲地域から11月にかけて識別撮影率は減少、12月にかけて再び増加
- 識別個体数と識別撮影率増加の考えられる原因
- 篠川地域などで複数のメスによる出産を確認している
2-3-4.低密度維持地域全域の確認個体数と残存個体数
- 確認個体数(識別個体と撮影なし捕獲個体の合計
- 5月の32個体から9月までに21個体に減少
- 捕獲作業地域の移行・拡大で11月から識別個体数が増加
- 一部の地域で繁殖個体群が複数確認されており12月は42個体
- 11月以降確認個体数が増加
- 捕獲作業地域の移行で作業道路距離が増加
- 地域全体で見ると1kmあたりの残存個体数は0.2個体前後、4月以降から同水準での推移



確認個体数だけ見ると、11月以降ぐっと増加したように思えるけど、実際は捕獲作業地域自体が増えたから増えたというだけで、1kmあたりの残存個体数は0.2個体前後、いつも通りだったよということだね。
2-3-5.低密度維持地域のまとめ
- 2022年度の作業実施
- 4月から10月まで4地域
- 11月以降8地域
- 低密度維持地域8地域の昨年度から継続している4地域(瀬戸内・網野子・篠川・赤房)の山域で繁殖(親子同時撮影)・子育て(親猫が餌を運ぶ様子)を示唆する撮影あり
- 低密度維持地域での作業継続でTNR個体・トラップシャイ個体・幼獣が捕獲されている
- 集落からの侵入・山域の個体数の増加を抑えられている
- 山域でノネコの撮影がない地域あり
- 篠川地域
- 複数のメスによる出産
- 個体数が増加している地域がある
- 山域での捕獲作業内容について今後も効率化の検討が必要



低密度地域になったからといって、作業をやめずに粘り強く続けることでTNR個体やトラップシャイ個体・幼獣の捕獲ができているんだね。特にトラップシャイ個体の捕獲はすごく意味があると思うな。
3.混獲状況|3-1.混獲対策の実施状況
- カゴ罠の混獲対策は、事業開始からさまざまな対策の試行
- 現在
- 鉄板やゴムマット等を巻く
- エサの設置にはフック付きカゴに入れる・吊り下げる
- アマミトゲネズミの混獲が多い地域は、わな後方に脱出口を設ける
- 2019年度後期より順次作業地域に設置したわなに施工して使用
3.混獲状況|3-2.混獲状況とわなの稼働率(事業開始当時からの年度ごとの比較)
2022年度の混獲状況と空打ち数
2022年度 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
わな日 | 1,773 | 7,954 | 7,585 | 8,918 | 5,143 | 5,236 | 5,849 | 5,482 | 6,945 | – | – | – | 54,885 |
カラス | 1 | 25 | 25 | 12 | 8 | 6 | 5 | 4 | 11 | – | – | – | 97 |
クマネズミ | 2 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | – | – | 6 |
イノシシ | 0 | 1 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | – | – | 6 |
アマミノクロウサギ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | – | – | – | 5 |
ケナガネズミ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | – | – | – | 3 |
アマミトゲネズミ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | – | – | – | 1 |
オットンガエル | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | – | – | 1 |
ルリカケス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | – | – | – | 1 |
空打ち | 18 | 68 | 64 | 88 | 59 | 61 | 57 | 61 | 82 | – | – | – | 558 |
- 2022年度12月までにカゴ罠で混獲された8種
- カラス
- クマネズミ
- イノシシ
- アマミノクロウサギ
- ケナガネズミ
- アマミトゲネズミ
- オットンガエル
- ルリカケス
- 混獲が起きた際の対処
- 生きてる個体なら健康を確認後放逐
- 5月にカラスの混獲致死1件確認
- 混獲または絡内があったわな日を無効わな日、それ以外を有効わな日として年度ごとに集計
- カラス・アマミトゲネズミの混獲が多い2019年度の稼働率は97.7%
- 現在の混獲対策を施工したわなを使用した2020年以降は98.8%
- 混獲対策の評価
- 概ね効果をあげていると考えられる
- 捕獲効率を下げずにさらに混獲・混獲致死を防げるように引き続き効果的な対策を検討



多くの罠に対して混獲数がとても少ないと感じるよ。罠についてもアイディアを出し合って研究して頑張っているからこそだよね。
4.まとめ
- 2022年度の捕獲作業
- 九年度から引き続き9地域で開始
- 5月から大和北を加えた10地域
- 11月から宇検地域をうわえた11地域で実施
- 大和南はモニタリング開始以降ノネコの確認がないので捕獲作業をせずモニタリングのみ実施
- 昨年度から捕獲作業を実施中の金作原・三太郎・小湊・山間の4地域
- 11月に重点捕獲地域から低密度維持地域へ移行
- 2018年7月捕獲作業開始以降2022年12月末まで396個体捕獲
- 捕獲されるTNR個体の割合は年々増加、新たな捕獲作業開始地域で多くなる傾向
- 4月から10月の重点捕獲地域
- 捕獲作業によりノネコの個体数が減少
- 作業地域拡大で識別個体数・識別撮影率増加
- 捕獲数も増加し、識別個体数は減少傾向
- 低密度維持地域
- 集落から山域につながる作業道路の罠で新規個体・TNR個体の捕獲
- 山域への侵入を抑えられていることが示唆
- 山域で少ない作業量でトラップシャイ個体・幼獣を捕獲
- 個体数の増加を抑えられていることが示唆
- 複数のメスによる出産が確認されている地域・センサーカメラでノネコの撮影のない地域がある
- 地域ごとに捕獲作業内容について検討・効率化を図る
- 集落から山域につながる作業道路の罠で新規個体・TNR個体の捕獲
- 混獲対策
- 一定の混獲があるが2020年度以降継続している対策で高い稼働率を維持
- 今後も捕獲効率を下げずに、混獲や混獲致死を防げるわなの効率的な対策を検討
質疑応答のお時間
- これまでのやり方に基づいてしっかりされているなと思った。重点地域だけで見ると右肩下がりか知りたい。
-
右肩下がりでどこの地域も順調に捕獲作業が進んでいると感じている
- 低密度地域の子どもを連れている猫のところに罠はかけているか?
-
低密度地域の山間部の作業は6か月に1本と道路単位で設定しているが、繁殖・目撃情報があった場合は、道路単位とプラスして目撃があった付近で出来る限り捕獲作業している。
- 低密度維持地域において省略化が大切だけど、場所によっては繁殖しているところもある。外からの流入・里との位置関係など増加圧がすごいところがあると思う。全体の基準としてどれだけ捕獲圧を下げられるかというのもあるけど、この地域は重点的にしたほうが良いとか、手を緩めたら転じてしまいそうな場所があるのであれば教えてほしい。
-
現場でも感じている事。今年度から移行した東側の地域は山間部での撮影が明確にされていない状況があった。篠川地域ではメスの出産が複数個体、ほぼ毎月新しい子猫が確認されている状況がある地域もある。その中で現在は地域ごと・道路ごとで山間部の作業を半年に一回設けているが、山間部の撮影されていない地域は省略して、その労力を繁殖個体が確認される地域に集約させる形を取りたいなとは思っている。
- 残存個体数の推移をみると、重点捕獲地域と低密度維持地域が同じような数値になっている。低密度地域にも重点捕獲地域と同じような捕獲圧をかけたらもっと捕獲できるのではないか?
-
低密度維持地域に残っているのは、トラップシャイ個体であるため、どれだけ捕獲圧をかけてもとれないという、精鋭みたいな個体が残っている。その状態が続いている。
- TNR個体のしめる割合が増えているとのことだが、このTNR個体が低密度維持地域の残存個体数として数えられている?
-
残存個体数は、撮影されて捕獲された個体を除いて捕獲されていない個体のみの集計。集落から上がって捕獲されたTNR個体は残存個体数には含まれていない。なので、低密度維持地域には捕獲できない個体が(重点捕獲地域と)同じだけ残っているという状態。
- 確認個体数の推移ですが、秋以降に増える傾向が何年も通してみられるが、その場合の増えている理由は既知個体が再撮影なのか、純粋に先月の新規個体が既知個体となったのかわかるか。
-
細かくはわからないが、感覚としては集落から夏確認されてない個体が撮影、まだモニタリングしてない地域からの流入などが関係していると思われる。オス個体の行動範囲が広がる時期があり、それも冬に重なっているのではないかなと個人的に考えている。
- 大和南は重点捕獲地域になっているけど、モニタリングしたら撮影がなかったので捕獲なしになった。撮影なし捕獲はそんなに多くない。だから撮影がない=猫が少ないという指標になるとは思う。そこで捕獲しないとするか、多少なりとも捕獲したほうが良いという判断は難しいのでは?今後は撮影があったら捕獲していくという判断か?
-
大和南は山の中央にあり、周りが他の作業地域で囲まれている。集落からの流入がまずない。あっても他の地域を通ってくるので、あっても他の地域で対応できると考えている。カメラも他地域と同じ密度で設置している。そこで繁殖があれば今までだと撮影されていたがそれがない。大和南全域でのカメラ設置が8月。8月は1個体だけ撮影があったが、大和北地域から通り過ぎた個体というのも追えていた。通過個体だったので大和南では捕獲作業をしなかった。今後もモニタリングを継続し、どこから移動しているか見極めて移動しているだけの個体ならこれまで通りの対応とする。
- 大和南が重点捕獲地域となっているのは何故?
-
設定したときは、捕獲するつもりで設定したが、いざモニタリングしてみたら撮影されないので今のような状態になっている。
コメント
- トラップシャイ個体は本当に手ごわい個体とたまたま罠に入らなかった個体がいると思うので、精査が大切
- 全然手を付けてない地域がシマの中でもあるので、そこにどれくらい猫がいるかというのもわかってくる。一番初めにも島全体でどれくらいいるか推定したと思うが、だいたいその推定があってたと記憶している。やってないところはどれくらいいるか予め推定しておけば、これからどう動けば良いかなんとなくわかってくる。
- 捕獲して減っていることがわかりやすい資料があるといい
①ノネコの捕獲作業およびモニタリング結果について:おわり
本当は1記事に全部まとめようと思ったんですけど、ここまで書いてみて「あーやっぱむりこれ。むりこれ最後までこのページに全て詰め込むの正直無理でした無理な話でした」となっているので、分けますね。
資料見ながらまとめましたが、数字間違えてたらすみません。
お疲れ様でした。