②混獲状況および対策【奄美大島のノネコ管理計画 令和3年度の検討会行ってきましたレポ】

こんにちは。

今回も令和3年度の奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画にかかる検討会にてお話しがあったことを資料をもとにまとめていきます。

「奄美大島のノネコ管理計画って今どんな感じになってるの?」

「ノネコ管理計画で奄美大島は何をしているの?」

など、奄美大島のノネコ管理計画について疑問などある方は是非、検討会の内容についてもチェックしてみてください。

目次

混獲状況および対策

「混獲状況および対策」の報告では、奄美大島のノネコ管理計画で罠にノネコ以外の固有種などが入ってしまう問題は現在どう対策されていて、どのような成果が出ているのかがわかります。

たびたび「それはいいのか」「希少種が捕獲罠に入るのは本末転倒なのでは?」とSNSなどでも疑問が上がるこの問題、どのように対策しているか、疑問を一度でも持った方はチェックしておいて損はないですよ。

ここでは

  1. 混獲対策の実施状況
  2. 混獲状況
  3. 混獲対策の効果

この3点を確認できます!

混獲対策の実施状況

ここではどのような問題があってどのように工夫しているかの報告がありました。

どのような問題があったか

  • 2018年7月捕獲作業開始の時に、わなに寒冷紗を巻き付け混獲した動物が雨風をしのげるよう工夫していたけれど、混獲や動物の干渉による空打ち、わなへのいたずらを防ぐことができなかった
  • ↑わなの稼働状況に影響を与えていたので、対策を施行

どのように工夫したか

  • わなの外側には鋼板(こうはん)やゴムマットなどを張り付ける
  • エサの設置にはカゴを入れる・吊り下げる
  • アマミトゲネズミの混獲が多い地域のわなには後方に脱出口を設ける
  • ↑これらを2019年後期より順次作業地域の設置わなに施工

2021年度

  • 5月からの新しい作業地域のわなにはあらかじめ混獲対策を施したものを準備
わなに巻いている素材ガルバリウム鋼板・ゴムマット・UVシート
エサ設置方法フック式メッシュカゴ・吊り下げ式メッシュカゴ
トゲネズミ対策後方に脱出口を設ける
混獲対策をしたかご罠の特徴

混獲状況

ノネコ管理計画での2020年度と2021年度4月から1月末までの混獲数表がありましたので、ここでもご紹介します。

表は横スクロールできるようになっているので是非横スクロールしながら見てください。

2020年度

スクロールできます
2020年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月合計
わな日5,3547,5197,0706,0195,9523,9066,2164,6453,1646,27855,763
カラス263926108512226145
アマミトゲネズミ245320000016
クマネズミ7155400200437
アマミノクロウサギ00000021003
ケナガネズミ00000001023
ハブ00110000002
オットンガエル00010000001
シロハラ30000000003
ノヤギ00000000000
空打ち71976252321422171025402
捕獲作業による混獲状況ー検討会資料より

2021年度

スクロールできます
2021年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月合計
わな日1406,4856,4304,4388,1586,9698,5256,3034,5956,12158,164
カラス0511524114212680
アマミトゲネズミ00000000000
クマネズミ01020001026
アマミノクロウサギ01000010215
ケナガネズミ00000001023
ハブ01000000001
オットンガエル00200000002
シロハラ30000000011
ノヤギ00000000101
空打ち1433916784965466070467
捕獲作業による混獲状況ー検討会資料より

※資料のままにシロハラの合計が1になっていますが、恐らく4です。

去年もわなを改良してアマミトゲネズミの混獲がなくなったっていう話が出たけど、データで見ると改めてそのすごさがわかるよね

混獲状況まとめ

  • 2020年度と2021年度の4月から1月末までの混獲数を比較することで混獲状況の変化を知ることができる
  • 混獲数が最も多いのはカラス、2020年度1月末までのカラス混獲は合計145羽だったが2021年度は80羽となり45%減、CPUEも減少傾向
  • アマミトゲネズミは合計16頭から0頭に減った
  • クマネズミは合計37頭から5頭に減った
  • 混獲致死も2021年度は発生していない

混獲対策の効果

  • 2019年7月を境にノネコを除く混獲数と空打ち数を合わせた干渉数は減少傾向
  • 現在の混獲対策は効果を上げているが、さらに混獲を防ぐ効果的な対策を検討していく

実感できる効果を数値としても上げつつも、まだまだ混獲を防げるよう努力していくってことだよね。応援しています!

質問タイム

混獲されたヤギについて詳しく

子ヤギがうずくまった状態でわなの中に入ってた。周りには同じ群れの親兄弟が心配そうに眺めていた、そんな状況だった。ノヤギも問題になっているのでノヤギ対策の方とも今後は連携をとっていく。で、ノヤギに対しても注意を払っていく。

次回へ続く!

混獲対策については去年の方が色々な報告がありましたが、今年はさらっと過ぎました。

去年議論されたことが生きていたからこそのさらっとなのかなーと思ったり。

奄美大島のノネコ管理計画について「混獲されるわななんて」という声も上がることがありますが、こういった対策もして効果も出ていることも知ってほしいですね。

特にアマミトゲネズミの混獲が0になったところを評価してほしいと考えます!

次回は「在来種のモニタリング状況について」ですので、もうしばらくお待ちください。

では、今回もありがとうございました!

つづきはこちら

サイトの管理人

奄美大島在住。生き物ニワカ勢です。ネコも割と好き。イヌも可愛いと思うし、クロウサやカエルやヘビも好きだし、でも名前が覚えられないからずっとニワカ。そのへんにいます。検討会行ってるのはただの趣味。色々思うことはあるけど、思うことがあるだけで覚えてないので言えることがあまりない毎日を過ごしています。でも楽しいです。

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