【1】令和5年奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会の「ノネコの捕獲作業及びモニタリング結果について」をまとめる

はい今年もやってきました、ノネコ検討会。
去年のぶんもちゃんとまとめていないのですが、まあ今年がやってきちゃったので
とりあえず今年の検討会をまとめちゃいたいと思います。
途中で終わったらごめんね。

※ちょっと時間がないので簡単にまとめてます。

目次

令和5年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に係る検討会の流れ

今年の検討会は以下の流れで進行しました。

  1. 開会
  2. 環境省挨拶
  3. 出席者紹介・注意事項の説明
  4. 議事
    • ノネコの捕獲作業及びモニタリング結果について
    • 在来種のモニタリング状況について
    • 発生源対策の進捗とネコのロードキル数について
    • その他
  5. 閉会

大体毎年こんな感じかな。
資料1〜4が配られていました。
(議事の4つの項目に沿った内容の資料)

今回はその中の「1.ノネコの捕獲作業及びモニタリング結果について」をまとめます。

資料を参考に簡潔にまとめる形になるうえに、スマホに配慮した形でこの記事は作っていませんのでご了承ください。
あとメモがてらに私の感想を書いているところがありますが、無視していい部分ですのでよろしく。

ノネコの捕獲作業およびモニタリング結果

1.今年度の作業方針

1ー1.作業地域概要

  • ノネコ捕獲事業における捕獲作業地域
    • 2018年〜2020年度までは3次メッシュ単位で設定
      • 道路が複数の作業地域に跨り道路を移動するノネコの捕獲状況・捕獲結果を検証しづらい……
    • 2021年度から捕獲作業を奄美大島全域へ展開
      • 地域内の道路がなるべく途切れない・罠が道路全体に設置できるよう見直し
      • 新たな捕獲作業地域
        • 奄美大島を国道・県道・長距離林道・交差点・河川などで区切った全21地域
        • 各地域の面積30〜50㎢程度
        • 作業道路の総延長距離は16〜63km程度
    • 2023年4月〜9月
      • ノネコの低密度化を目指す重点捕獲地域:宇検・知名瀬の2地域
      • ノネコの低密度状態の維持を行う低密度維持地域:瀬戸内・篠川・網野子・赤房・金作原・三太郎・小湊・山間・湯湾岳・大和北・大和南の11地域
      • それぞれ作業内容を変えて捕獲作業を行う
    • 2023年10月以降
      • 宇検・知名瀬の2地域を低密度維持地域へ移行
      • 13地域すべて低密度地域として作業を実施
      • 11月までの作業地域全体の面積は474.1㎢、作業道路距離468.5km
      • 大和南地域は地域内でノネコが確認されていない
        • 捕獲作業はせずに自動撮影カメラ(センサーカメラ)によるモニタリング継続

2023年4月~9月の捕獲作業地域

重点捕獲地域面積(㎢)作業道路(km)
宇検34.939.9
知名瀬49.359.5
低密度維持地域面積(㎢)作業道路(km)
大和北32.751.1
湯湾岳33.355.1
大和南18.713.7
瀬戸内73.358.4
網野子26.531.1
篠川43.130.9
赤房31.911.4
金作原41.233.6
三太郎32.435.9
小湊18.627.0
山間38.320.8

2023年10月以降の捕獲作業地域

重点捕獲地域面積(㎢)作業道路(km)
名瀬24.639.5
低密度維持地域面積(㎢)作業道路(km)
知名瀬49.359.5
宇検34.939.9
大和北32.751.1
湯湾岳33.355.1
大和南18.713.7
瀬戸内73.358.4
網野子26.531.1
篠川43.130.9
赤房31.911.4
金作原41.233.6
三太郎32.435.9
小湊18.627.0
山間38.320.8

感想:低密度維持地域がこんなに!と、驚いた。しっかり1つの地域をモニタリングしながら進んでいるのすごい。作業道路距離を見てもすさまじい。この距離ドライブするとしたらどんくらい走らなきゃかなと想像してやめた。走れる距離ではあるけど、大変だよ。

1ー2.作業内容概要

  • 重点捕獲地域と低密度維持地域の作業内容
    • 捕獲作業内容
      • 重点捕獲地域のわな数の目安
        • すべての地域で作業道路1kmあたり2基設置し作業
      • 低密度維持地域、作業の効率化を図るため設置するわな数目安
        • 作業道路1kmあたり1基
        • 捕獲作業を行う道路はセンサーカメラの撮影状況・目撃情報を参考に稼働させるわなを決定
        • 侵入個体抑制のため集落から山域につながる道路で捕獲圧をあげ作業
      • 作業地域拡大に伴いカメラ台数が増えたので、モニタリング期間の変更を検討
      • 捕獲作業期間は2〜3週間として作業実施(以前は3週間でした)
    • センサーカメラ設置密度
      • 昨年度と同様1台/作業メッシュの密度でセンサーカメラ設置、モニタリング
    • 捕獲作業地域における山間部と低地部の設定をし作業結果を分けて集計
      • 山間部;山域の作業道路にあるわな・カメラ
      • 低地部:集落や市街地から山域につながる作業道路にあるわな・カメラ

作業内容概要

★2021年4月~2022年10月

作業地域湯湾岳・金作原・三太郎・大和北・小湊・山間
※大和北は2022年5月から作業開始
捕獲:わな数の目安湯湾・金作原・三太郎・大和北:3.7基(年間800TD/作業メッシュ)
小湊・山間:2基/km
捕獲:作業頻度湯湾・金作原・三太郎・大和北:毎月
小湊・山間:隔月
捕獲:稼働日数約3週間/月
モニタリング:カメラ数目安1台/作業メッシュ
モニタリング:点検頻度1回/月

★2022年11月~2023年3月

作業地域湯湾岳・大和北・宇検・大和南
※大和南はモニタリングのみ実施
捕獲:わな数の目安2基/km
捕獲:作業頻度毎月
捕獲:稼働日数約2~3週間/月
モニタリング:カメラ数目安1台/作業メッシュ
モニタリング:点検頻度1回/月

2023年4月~9月

作業地域宇検・知名瀬
捕獲:わな数の目安2基/km
捕獲:作業頻度毎月
捕獲:稼働日数約2~3週間/月
モニタリング:カメラ数目安1台/作業メッシュ
モニタリング:点検頻度1回/月

★2023年10月~

作業地域A宇検・知名瀬・大和北・湯湾岳・大和南:集落から山域につながる作業道路
B金作原・小湊・三太郎・山間・瀬戸内・網野子・篠川・赤房:山域の作業道路
※大和南はモニタリングのみ実施
捕獲:わな数の目安1基/km
捕獲:作業頻度A:毎月
B:センサーカメラの撮影状況・目撃情報を参考に決定
捕獲:稼働日数約2~3週間/月
モニタリング:カメラ数目安1台/作業メッシュ
モニタリング:点検頻度1回/月

★2024年1月~

作業地域名瀬
※モニタリングは2023年12月から開始
捕獲:わな数の目安2基/km
捕獲:作業頻度毎月
捕獲:稼働日数約2~3週間/月
モニタリング:カメラ数目安1台/作業メッシュ
モニタリング:点検頻度1回/月

感想:重点捕獲地域は作業道路1kmあたり2基設置って、これは個人ではできない規模だよね。里から猫が上がりノネコになるのはわかっているから、侵入経路の道路で捕獲圧をあげるのは効率的だと思う。

里の猫を捕まえてるってこと?と勘違いする人もいるけど、侵入経路に入った猫を捕まえているんだよ。里にいる猫を捕まえているわけではないから、そこのところ勘違い注意しよう。

  • センサーカメラによるノネコのモニタリング方法
    • 個体識別によるノネコの生息状況の把握
      • センサーカメラの画像データを毎月回収、月ごと集計
      • 撮影されたノネコの識別方法
        • 模様・毛の色・体サイズ・撮影地点・場所
        • ↑これらを総合的に判断し個体を識別
      • 識別撮影率(地域単位)=識別個体ののべ滞在日数÷評価対象地域(全域・作業地域)の総カメラ日×100
      • 識別個体数ののべ滞在日数
        • 同一地域のセンサーカメラで同一個体が同日に複数回撮影されたら1回として集計
      • 黒猫や白猫は個体識別が困難なので、複数撮影されても1個体として計上
    • 個体識別によるノネコの動態の把握
      • 捕獲作業地域の識別個体数と捕獲個体数を月別に集計
      • 識別個体の動態
        • 母ネコ:子ネコと一緒に撮影された成獣ネコ
        • 新規子ネコ:その月に初めて確認された子ネコ
        • その他ノネコ:その他
    • 本資料でのトラップシャイ個体の定義
      • センサーカメラで初めて撮影されてから60日以上経過
      • 撮影された場所付近で1わな日以上の捕獲圧をかけても捕獲されていない個体

感想:識別しているのは前から知っているけど、やっぱこんな丁寧なのすごい。

1ー3.作業地域の評価方法

  • 重点捕獲地域から低密度地域への移行
    • 重点捕獲地域から低密度維持地域への移行を検討・判断する際の指標(いずれかの基準を満たした場合、周辺地域のノネコ撮影状況.発生源対策の進捗等踏まえ移行の可否を総合的に判断、重点捕獲地域から低密度維持地域への移行を行う)
      • 捕獲作業を続けても捕獲がほぼない状態(捕れ止まり)
      • または山間部のCPUE(前後1ヶ月の移動平均)が1.00以下で推移している状態が続く場合
        • CPUE=捕獲数÷わな日×1,000
    • 移行可能かを判断する基準
      • 確認個体数・作業道路距離1kmあたりの残存個体数・残存個体の内訳・識別撮影率

評価期間:冬季(10月〜3月)を含む6ヶ月以上(または1年間)

  • ①捕獲作業の移行を検討するタイミング
    • 指標1:累積捕獲数と累積わな日の関係(捕獲作業を続けても捕獲がほぼない状況がおおよそ6ヶ月以上ある=捕れ止まり)
    • 指標2:山間部のCPUE(移動平均前後1ヶ月)(山間部における前後1ヶ月移動平均のCPUEがおおよそ6ヶ月の間低値(1.00以下程度))
  • ②捕獲作業の移行を判断する基準
    • 指標1:確認個体数または残存個体数/作業道路距離(km)
      • 個体数の減少傾向が見られている or 少ないまま
      • ※確認個体数=識別個体数(撮影された個体)+撮影無捕獲数(撮影されずに捕獲された個体)=地域内で確認された全個体数
    • 指標2:残存個体の内訳
      • 残存個体の内訳を精査
      • 残存個体の過半数がトラップシャイ個体の状態
    • 指標3:山間部の識別撮影率(地域単位)=識別個体ののべ滞在日数/カメラ日×100
      • 山間部の識別個体数の滞在率が6ヶ月低地で推移または低いまま
      • ※識別個体ののべ滞在日数は各識別個体の該当地域での確認日数を合算

↑↑満たしていない指標がある場合も、残存個体の動態・周辺地域の状況を考慮して総合的に判断!↑↑

  • 低密度維持地域における低密度維持状態の評価
    • 低密度地域において低密度が維持されている状態をしたの指標によって評価
    • 低密度から逸脱した状態であると判断された場合、ノネコの撮影が多い地点で集中的に捕獲圧をかけるなどして逸脱前の低密度に戻すように努める
  • 低密度維持状態の評価方法
    • 指標1:確認個体数または残存個体数/作業道路距離(km)
      • 個体数の増加傾向が見られないまたは少ないまま
      • 逸脱状態の判断:残存個体数の増加が6ヶ月以上続く
    • 指標2:残存個体の内訳
      • 識別個体の内訳を精査、トラップシャイ個体の増加が6ヶ月以上継続かつ捕獲ができていない
    • 指標3:山間部の識別撮影率(地域単位)=識別個体ののべ滞在日数/カメラ日×100
      • 山間部の識別個体の滞在率の増加傾向が見られないまたは少ないまま
      • 逸脱状態の判断:識別個体の滞在率の増加が6ヶ月以上続く
      • ※識別個体ののべ滞在日数=各識別個体の該当地域での確認日数を合算

感想:低密度維持地域に移行したからそれでおーわり!じゃなくて、その後もちゃんと低密度を維持できているか評価しているのが、当たり前なのかもしれないけどすごくほっとする部分。

2.ノネコの捕獲作業およびモニタリング

2ー1.捕獲作業地域全域の作業結果

  • 捕獲作業地域全域の捕獲作業結果
    • 2018年7月から捕獲作業開始
      • 2023年12月末までの期間に後述のピンポイント捕獲・手捕り捕獲を除き330,481わな日の捕獲努力量をかけ449個体を捕獲
      • CPUEは1.36
    • 2023年度
      • 4月から12月末までに49.280わな日の捕獲努力量
      • 95個体を捕獲
      • CPUEは1.93
      • 捕獲した95個体中、TNR個体は37個体(39%)
      • 手捕り捕獲が6個体
      • 総捕獲個体数は101個体
    • 捕獲作業地域外の捕獲
      • 2018年7月〜2020年10月までノネコの生息情報があった場所を中心にピンポイント捕獲作業を実施、59個体を捕獲
      • 2021年および2022年度に手捕り捕獲7個体
      • 本事業のノネコそう捕獲個体数は521個体(2023年12月末時点)

捕獲作業地域全域の捕獲作業結果
※()内の数字はTNR個体
※捕獲数には手取り及び捕獲作業地域外のピンポイント作業による捕獲は含まれていない

わかりやすいように、イベント発生月の色は赤色に変更しています。

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2018年度456789101112123合計
わな日7451,0939718011,5139563,2033,6263,57116,479
捕獲数26(1)142(1)18(1)6(1)535(4)
CPUE2.685.491.034.991.321.052.501.651.402.12
7月:捕獲作業地域1開始
1月:捕獲作業地域2開始
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2019年度456789101112123合計
わな日3,7224,5725,8016,2514,0034,5175,6424,2395,6094,9456,7963,04659,143
捕獲数316(2)6(1)52(1)399(2)9(1)5(2)9(1)4(1)80(11)
CPUE0.813.501.030.800.500.661.062.121.601.011.321.311.35
5月:捕獲作業地域3開始
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2020年度456789101112123合計
わな日5,3486,5066,5835,9315,8013,73816,1504,6453,1646,2786,7464,46865,358
捕獲数111125(1)1(1)142(1)2(1)21(4)
CPUE0.190.150.150.170.3400.810.220.320.640.300.450.32
7月:捕獲作業地域4開始
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2021年度456789101112123合計
わな日1406,4856,4304,4458,1586,9698,5256,3174,6056,1246,5604,31469,072
捕獲数2(1)14(3)16(4)4(2)8(2)6(2)11(3)18(8)15(5)7(5)12(7)8(6)121(48)
CPUE14.292.162.490.900.980.861.292.863.261.151.831.861.75
5月:捕獲作業地域区分の変更・拡大
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2022年度456789101112123合計
わな日1,7737,9547,5858,9185,1435,2365,8495,4826,9454,2784,4067,58071,149
捕獲数5(1)18(11)6(2)5(4)2(0)05(2)15(8)17(7)9(4)2(2)13(6)97(47)
CPUE2.822.260.790.560.3900.852.742.452.110.461.721.36
5月:捕獲作業地域拡大
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
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2023年度456789101112123合計
わな日1,9017,0186,3927,1613,3797,2955,1905,6715,27349,280
捕獲数14(7)14(10)13(5)11(4)8(1)6(1)4(2)10(3)15(4)95(37)
CPUE7.361.992.031.542.370.820.771.762.841.93
4月:捕獲作業地域拡大
10月:捕獲作業地域の移行・拡大
全期間合計
わな日330,481
捕獲数449(151)
CPUE1.36

検討会当日の追加情報:1月18匹、2月32匹 合わせると151匹で過去最多(21年度の124匹より↑)

年度ごとの総捕獲個体数

カゴわな
作業地域内
かごワナ
作業地域外ピンポイント捕獲
手捕り総捕獲個体数
2018年度(7~3月)35843
2019年度8045125
2020年度21627
2021年度1213124
2020年度974101
2023年度(4~12月)956101
合計4495913521
※ピンポイント捕獲は2018年7月~2020年10月まで実施
※手捕りによる捕獲は2021年度から実施

感想:TNR個体が大半!みたいな言葉をSNSでたまに見かけるが、実際はまだ半数にも満たないんだね。というか、ノネコの寿命って野良猫の寿命を考えるとそう長くない気がするんだけど(3~5年)、そう考えると今も耳カットされていない(TNRされていない)猫が捕獲されるってことは、山でも繁殖しているってことになるよね。

  • 捕獲作業地域全域のノネコのモニタリング結果
    • モニタリング開始が2018年4月
      • 2023年12月末までの識別個体数は計718個体
      • 識別個体の捕獲数は321個体(45%)
    • 2023年度
      • 82,375カメラ日で識別個体の滞在日数は4,334日、識別撮影率(全域)は5.26
      • 識別個体数は捕獲作業地域を拡大した4月に86個体
      • 9月までに59個体に減少
      • 10月から再び増加
      • 12月時点の識別個体数は83個体
      • 4月から12月までの識別個体数の合計は219個体
      • うち65個体(30%)を捕獲

捕獲作業地域全域の識別個体数と識別撮影率(全域)

わかりやすいように、イベント発生月の色は赤色に変更しています。

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2018年度456789101112123合計
カメラ日6316367507427367207617421,3161,3471,2061,35110,938
識別個体の滞在日数9678627951354712931085154766
識別撮影率(地域単位)15.2112.268.2710.656.934.866.181.627.078.024.234.007.00
識別個体数17171513127761624121469
識別個体の捕獲数00014131056425
7月:捕獲作業地域1開始
1月:捕獲作業地域2開始
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2019年度456789101112123合計
カメラ日1,5643,0323,1443,2492,5492,4992,7652,8322,9232,9622,7843,00633,309
識別個体の滞在日数1042921761651091041652442021611561282,006
識別撮影率(地域単位)6.659.635.605.084.284.165.978.626.915.445.604.266.02
識別個体数285540361824352727202617120
識別個体の捕獲数210332065719351
5月:捕獲作業地域3開始
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2020年度456789101112123合計
カメラ日2,7312,7952,6683,1943,0142,8133,1082,9503,3823,1693,0533,95536,832
識別個体の滞在日数10593588281481171401831712013001,579
識別撮影率(地域単位)3.843.332.172.572.691.713.764.755.415.406.587.594.29
識別個体数12151516141723212321324789
識別個体の捕獲数11011031140215
7月:捕獲作業地域4開始
スクロールできます
2021年度456789101112123合計
カメラ日4,5125,2095,1375,3495,3705,1405,1195,2185,4375,2255,0185,57462,308
識別個体の滞在日数3252921751661541772022913152893033213,010
識別撮影率(地域単位)7.205.613.413.102.873.443.955.585.795.536.045.764.83
識別個体数535246363030354946314155179
識別個体の捕獲数11292735131468686
5月:捕獲作業地域区分の変更・拡大
スクロールできます
2022年度456789101112123合計
カメラ日5,4736,8776,5916,5386,7586,4006,6897,8338,1518,1397,2927,96884,709
識別個体の滞在日数4933542702342862433884094685705264694,479
識別撮影率(地域単位)7.345.154.103.584.233.805.815.265.767.007.215.895.29
識別個体数656454444339476363737365212
識別個体の捕獲数415552041313511279
5月:捕獲作業地域拡大
11月:捕獲作業地域の移行・拡大
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2023年度456789101112123合計
カメラ日9,2059,3479,1139,1139,3948,9539,2198,9059,12682,375
識別個体の滞在日数5905384463813523784935416154,334
識別撮影率(地域単位)6.415.764.894.183.754.225.356.086.745.26
識別個体数867764526359748583219
識別個体の捕獲数1099763281165
4月:捕獲作業地域拡大
10月:捕獲作業地域の移行・拡大
全期間合計
カメラ日310,471
識別個体の滞在日数16,174
識別撮影率(地域単位)5.21
識別個体数718
識別撮影率(地域単位)321

感想:識別個体数計718個体!すごい。実際、黒猫や白猫はちゃんとカウントされていない(1個体として計上)なので、実際はもっといるということだよね。ただ、山に居たら人知れず死んでしまうこともあるから、現在718個体いるわけではないんだよね。

2ー2.重点捕獲地域の作業結果

  • 重点捕獲地域概要
    • 2023年度
      • 昨年度から継続して作業実施の宇検地域と4月から捕獲作業開始の知名瀬地域の計2地域で作業開始
        • 2023年9月に重点捕獲地域から低密度維持地域へ移行の検討
        • 10月から低密度地域へ移行
      • 名瀬地域は重点捕獲地域として12月からモニタリング開始
        • 1月から捕獲作業開始

重点捕獲地域の作業結果

  • 宇検地域
    • 2022年8月から地域全域でモニタリング開始
    • 2022年11月から捕獲作業開始
    • 2022年11月から2023年9月末までに14,348わな日の捕獲努力量を投入
    • ノネコの捕獲数は山間部で7個体・低地部で12個体の計19個体で、CPUEは1.32
  • 宇検地域の識別個体数
    • 捕獲作業を開始した2022年11月に18個体(最も多い)
    • 2023年5月までに2個体まで減少
    • 9月まで低値で推移
    • 母ネコも2023年2月以降は撮影がない
      • 繁殖による個体数の増加は確認されず
  • 宇検地域の識別撮影率
    • 山間部から低地部で捕獲作業開始後から減少傾向
    • 2023年5月以降低値で推移
    • 宇検地域の結果
    • 捕獲状況と撮影状況を評価指標を用いて総合的に判断
    • 10月より低密度維持地域へ移行

捕獲作業結果

スクロールできます
2022年度2023年度
11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月9月合計地域合計
山間部わな日1,1001,2716837881,2223521,1989101,1905171,11210,343
捕獲数230011000007
CPUE1.822.36000.822.84000000.68
低地部わな日3764852492944381614663584742334714,00514,348
捕獲数621120000001219
CPUE15.964.124.023.404.570000003.001.32

モニタリング結果

スクロールできます
2022年度2023年度
8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月9月合計
山間部カメラ日5584925145405585575045585405585335035265337,474
識別個体の滞在日数443245344744272913313768352
識別撮影率(地域単位)7.896.508.756.308.427.905.365.202.410.542.441.391.141.504.71
低地部カメラ日4023823713904034033573603543573672663573425,111
識別個体の滞在日数553239422671121195005244
識別撮影率(地域単位)13.688.3810.5110.776.451.743.080.563.112.521.36001.464.77
識別個体数138121710106852323429
識別個体の捕獲数6300300000012

重点捕獲地域の作業結果

  • 知名瀬地域
    • 2023年2月から地域全域でモニタリング開始
    • 2023年4月から捕獲作業開始
    • 2023年4月から2023年9月末までに9,432わな日の捕獲努力量を投入
    • ノネコ捕獲数は山間部で6個体、低地部で11個体、計17個体でCPUEは1.82
  • 知名瀬地域の識別個体数
    • 2023年3月が25個体(最も多い)
    • 捕獲作業開始移行2023年7月までに7個体まで減少
    • 9月まで横ばいで推移
    • 母ネコはモニタリング開始時から1個体確認
      • 繁殖は1回確認されたのみ
  • 知名瀬地域の識別撮影率
    • 山間部および低地部で捕獲作業開始から減少傾向
    • 低値で推移
  • 知名瀬地域の結果
    • 捕獲状況と撮影状況を評価指標で総合的に判断した結果、10月より低密度維持地域へ移行

捕獲作業結果

スクロールできます
2023年度
4月5月6月7月8月9月合計地域合計
山間部わな日3751,4971,3501,4276911,3996,739
捕獲数3201006
CPUE8.001.3400.70000.89
低地部わな日1925835125992955752,6939,432
捕獲数4221111117
CPUE31.013.433.911.673.391.744.081.80

モニタリング結果

スクロールできます
2022年度2023年度
2月3月4月5月6月7月8月9月合計
山間部カメラ日5146516516586576346816485,094
識別個体の滞在日数106168764548554924571
識別撮影率(地域単位)20.6225.8111.676.847.318.687.203.7011.21
低地部カメラ日4956426706385815936926204,931
識別個体の滞在日数30194943159726198
識別撮影率(地域単位)6.062.967.316.742.581.51.04.194.02
識別個体数232518121378729
識別個体の捕獲数44301113

2ー3.低密度維持地域の作業結果

  • 低密度維持地域概要
    • 2023年度
      • 昨年度から継続して作業実施
        • 瀬戸内・網野子・篠川・赤房・山間・三太郎・小湊・金作原・湯湾岳・大和北・大和南の11地域
      • 10月から宇検・知名瀬の2地域を低密度維持地域に移行、計13地域で作業実施
  • 低密度維持地域の捕獲作業結果
    • 低密度維持地域12地域の2023年4月から12月までの捕獲作業結果は表参照(したにあります)
      • 大和南地域はモニタリングのみ実施なので捕獲作業は行わず
      • 重点捕獲地域から低密度維持地域移行の宇検地域と知名瀬地域は10月移行の結果を示している
      • 山間部の作業道路は撮影状況・目撃情報を参考に決定
      • 情報がない地域では山間部の捕獲作業を行なっていない
  • 2023年4月から12月末
    • 32,406わな日の捕獲努力量を投入
    • ノネコ捕獲数
      • 山間部で34個体
      • 低地部で43個体
      • 計77個体
      • CPUE:山間部:2.43、低地部2.33
        • 重点捕獲作業地域よりも高いCPUE
        • 山間部および低地部で効率よく捕獲作業ができていると考えられる

低密度維持地域の捕獲作業結果

スクロールできます
瀬戸内2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日12144240103231874261901,532
捕獲数000010225
CPUE00003.1004.6910.533.26
低地部わな日140494421317713792623552852,724
捕獲数12222011213
CPUE7.144.054.756.3128.1703.822.827.024.77
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網野子2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日52142151596518010311765898
捕獲数0003100105
CPUE00018.8715.38008.5505.57
低地部わな日5118018815034180123119501,075
捕獲数0010010114
CPUE005.32005.5608.4020.003.72
スクロールできます
篠川2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日762891722622794963756285673,144
捕獲数02211021312
CPUE06.9211.633.823.5805.331.595.293.82
低地部わな日6013612096721441218257888
捕獲数0000200204
CPUE000027.780024.3904.50
スクロールできます
湯湾岳2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日886218911122582452652621,545
捕獲数0010000001
CPUE004.590000000.65
低地部わな日188575352518322636350
捕獲数0000000000
CPUE0000000000
スクロールできます
大和北2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日474964484882264964144734913,579
捕獲数0001000124
CPUE0005.410003.007.463.06
低地部わな日474964484882264964144734913,579
捕獲数0200010025
CPUE04.030002.02004.071.40
スクロールできます
赤房2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日234352144642082882881,578
捕獲数10100013
CPUE4.2706.940003.471.90
低地部わな日245145362754424530354
捕獲数0000000000
CPUE0000000000
スクロールできます
金作原2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日3535
捕獲数00
CPUE00
低地部わな日721562753221473143323142592,191
捕獲数0011020004
CPUE003.643.1106.370001.83
スクロールできます
三太郎2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日90260126476
捕獲数1001
CPUE11.11002.10
低地部わな日64193152238981761431981871,449
捕獲数2111000016
CPUE31.255.186.584.2000005.354.14
スクロールできます
山間2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日1616
捕獲数00
CPUE00
低地部わな日5417817217883821481821081,185
捕獲数0210000003
CPUE011.245.810000002.53
スクロールできます
小湊2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日11022425642105216953
捕獲数0100003
CPUE04.4600001.05
低地部わな日561352523061122722722562881.949
捕獲数2100000104
CPUE35.717.41000003.9102.05
スクロールできます
宇検2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日6522382501,140
捕獲数1012
CPUE1.53041.75
低地部わな日3933423041,039
捕獲数0000
CPUE0000
スクロールできます
知名瀬2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日5024284321,362
捕獲数0000
CPUE0000
低地部わな日5685565141,638
捕獲数0000
CPUE0000
スクロールできます
合計2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
山間部わな日2981,1701,1141,3057481,6232,3402,7232,66413,985
捕獲数12553135934
CPUE3.361.714.493.834.010.621.281.843.382.43
低地部わな日5862,1042,1482,1668952,1152,8502,9482,60918,421
捕獲数58644415643
CPUE8.533.802.791.854.471.890.351.702.302.33
  • 低密度維持地域の地域ごとの識別個体数の推移
    • 低密度維持地域13地域ごとに母ネコ・新規確認の子ネコ・その他ノネコに分けて月ごと集計、識別個体数の推移を出した
  • 繁殖が複数回確認されている地域
    • 低密度維持地域13地域うち:大和北・湯湾岳・篠川・瀬戸内・網野子の5地域は識別個体が多い
    • 断続的に捕獲があるが個体数が減少しない
      • トラップシャイの母ネコや繁殖した子ネコの確認が継続しているからと考えられる
      • 繁殖した子ネコは死亡率が高い
      • が、死亡率より上回る繁殖により個体数が推移または増加傾向
  • 繁殖個体が確認されている地域は捕獲圧を上げて対応
    • 母ネコがトラップシャイなのでカゴわなでの捕獲が難しい状況
    • 今後捕獲を強化するためカゴわな以外の新しいわなの開発・探索犬の活用も検討する必要がある
  • 繁殖の確認がない・少ない地域
    • 低密度維持地域13地域うち:知名瀬・大和南・宇検・金作原・小湊・三太郎・山間・赤房の8地域は識別個体数が比較的少ない(おおむね10個体以下での推移)
    • 月ごとの個体数増減はある
      • 個体数が増加した月は捕獲数も増加傾向にある
    • 母ネコが確認されている地域あり
      • 繁殖は確認されていない
      • 現状の作業方針で低密度状態を維持できている

感想:トラップシャイ個体は雄も雌も両方いるってことなのかな。死亡率より上回る繁殖っていうのが猫だなあというかんじ。これは街でもそうだよね。実際、外で生きられない子ネコは多いと思う。けど社会問題になるほど増えるよね。だからこそ、捕獲の手を緩めたらまたすぐに戻ってしまうんだろうなあというのが、簡単に想像できちゃうよね。

3.捕食写真から分析したノネコによる在来種捕食について

  • ノネコ事業で撮影された被食者真の分析
    • ノネコによる在来種への影響を調べる(モニタリング)のために林道に設置してある自動撮影カメラで撮影された比色写真データを整理
    • どのような個体が何を捕食しているのかについて分析
    • データ:モニタリングが開始された2018年4月~2023年12月までのもの
    • モニタリングで実施した個体識別を元に、口元にエサ動物を咥えている様子が撮影された個体数を集計
      • 黒猫・白猫・判別不明は識別が困難なので1個体として計上
    • 被食撮影回数は、捕食シーンの回数も集計
      • 同一と思われる捕食シーン連続撮影は1回として計上
  • 全期間で確認された被食撮影個体
    • 103個体
    • 被食撮影回数720回
    • 中には首輪付きのネコ、TNR済みのネコも確認
  • 被捕食動物の割合と季節変化
    • 被食写真のうち何が食べられているのかを判別し集計
      • アマミトゲネズミとクマネズミは写真での判別が困難なので合算
        • アマミトゲネズミ・クマネズミの捕食が全体の約6割
        • ケナガネズミ約2割
    • 季節ごとの変化
      • アマミトゲネズミ・クマネズミは夏に最も多い
      • アマミノクロウサギは春に多い傾向

被捕食動物の割合

被捕食動物割合
トゲネズミ・クマネズミ58.0%
ケナガネズミ22.8%
クロウサギ4.3%
判別不可14.9%

感想:撮影回数にも驚いたけど、季節ごとの変化もあるんだ!というのもとても驚いた。首輪付きのネコ、TNR済みのネコも山に入れば生きるために狩るしかないんだよね。でも、さすがに首輪付きのネコって飼い猫だと思うし、家で安全なご飯食べてほしいよなあ……。

  • 性別による違い
    • 捕食撮影個体の性別は、個体が捕獲されて判別したもの・子ネコを連れていることで判別
    • 性別による違いがみられるのか調べた
      • 多くがメスによる捕食写真
        • メスはアマミトゲネズミ・クマネズミの捕食割合が多い
      • オスはアマミノクロウサギの捕食割合が高い
      • ケナガネズミはオス・メスでの割合の差はほぼなし
    • 体重が重いほど大きいエサを食べている可能性が示唆
    • メスと判別された個体の捕食撮影回数のうち母ネコによる捕食が9割以上
  • 母ネコによる捕食
    • 母ネコによる捕食に注目し分析
      • 捕食写真が撮影された母ネコの個体数は31個体(30%)
      • 捕食撮影回数518回(72%)
    • 母ネコ31個体による被捕食動物の割合
      • アマミトゲネズミ・クマネズミの割合が高い
      • ケナガネズミも通年で捕食
      • 季節は3月~7月に撮影回数がやや多くなる傾向
        • 繁殖が多くなる時期と一致
    • 繁殖が多い篠川地域での母ネコ3個体の捕食撮影と繁殖の関係
      • 一例だが、繁殖が確認された月付近で捕食撮影が多くなる傾向
    • ノネコ事業データにより、奄美大島ではネコは通年繁殖可能
      • 母ネコによる在来種への影響は大きい
  • まとめ
    • 母ネコが子ネコを育てるために哺乳類を捕殺している可能性が示唆された
    • 外来生物対策では生態メス(繁殖個体)の捕獲・排除が短期的にも長期的にも重要
    • メスを選択的に捕獲することは難しい
    • モニタリングデータを活用し子連れ個体が確認された地域で捕獲圧を高めるなどの戦略が有効か。

感想:食べるものに性差があるのは驚いた。大きい個体程、大きいご飯が必要なんだね。母ネコは、子ネコに与えるためにあえて小さいネズミを狩ることもあるのかな。母ネコがより多く撮影されたのは、そのぶん狩るシーンが多くなってしまうからなのかな。

4.混獲状況

  • 混獲対策の実施状況
    • カゴわなの混獲対策は事業開始からさまざまな対策を試行
    • 現在
      • わなの外側に鋼板やゴムマットなどを巻く
      • エサの設置にはフック付きのカゴに入れる・吊り下げるなどの対策
      • アマミトゲネズミの混獲が多い地域には、わな後方に脱出口を設ける
      • ↑2019年度後期より順次作業地域に設置したわなに施工し使用
  • 混獲状況とわなの稼働率
    • 2023年12月までにカゴわなで混獲された種
      • 9種:カラス・アマミノクロウサギ・ケナガネズミ・ノイヌ・ルリカケス・クマネズミ・イノシシ・オットンガエル・リュウキュウコノハズク
    • 混獲が起きた際の対応
      • 生きている個体なら健康を確認後に放逐
    • 混獲または空打ちがあったわな日を無効わな日、それ以外を有効わな日として年度ごとに集計
      • カラス・アマミトゲネズミの混獲が多い2019年の稼働率は97.7%
      • 現在の混獲対策を施工したわなを使用している2020年度以降の稼働率は98.6%以上
        • 混獲や空打ちも少なく高い稼働率が維持できている
    • 現状の混獲対策は概ね効果をあげていると考えられる
      • 捕獲効率を下げずにさらに混獲・混獲致死を防げるよう引き続き効果的な対策を検討

2023年度の混獲状況と空打ち数

スクロールできます
2023年度4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月合計
わな日1,9017,0186,3927,1613,3797,2955,1905,6715,27349,280
カラス41081117894677
アマミノクロウサギ0000111104
ケナガネズミ0000002013
ノイヌ0001010002
ルリカケス0000020002
クマネズミ0010000001
イノシシ0000000101
オットンガエル0001000001
リュウキュウコノハズク0000000011
空打ち215341853669577059491

感想:捕獲効率を下げずに、混獲・混獲致死を防げるよう対策を検討ってところがいい。ノイヌやイノシシが捕まってるときあるっぽいけど、あんな小さいカゴ罠に入るんだな。ノイヌ……小さい子が山に居たってことなのかな?前山で、飼い主のいない犬を2頭みたことがあるんだけどガリガリだったから、中々ご飯にありつけずカゴわなに入っちゃったのかな。とか思った。

5.まとめ

  • 2023年度の捕獲作業は、昨年度から継続した12地域と4月から知名瀬地域を加えた計13地域で開始
    • 2024年1月からは名瀬を含めた14地域での展開
    • 大和南はモニタリング開始以降、地域内に定着しているノネコの確認がないので捕獲作業を行っていない(オニタリングのみ)
  • 重点捕獲地域として捕獲作業を実施した宇検・知名瀬の2地域を10月に重点捕獲地域から低密度維持地域へ移行
    • 12月から名瀬地域全域でモニタリング開始、1月より捕獲作業開始
  • 2018年7月の捕獲作業開始以降2023年12月末までに計521個体が捕獲
  • 重点捕獲地域で捕獲作業により捕獲開始から2023年9月にかけてノネコの個体数減少
    • 重点捕獲地域として一定期間捕獲圧をかけ続けることで地域内でノネコの低密度化ができている
  • 低密度維持地域では集落から山域につながる作業道路のわなで、山域への侵入をおさえられている
    • 山域での作業道路では少ない作業量で捕獲ができている
    • 個体数の増加を抑えられていることが示唆された
    • 一方、複数のメスによる出産が確認されている地域では個体数が維持または増加傾向
      • カゴわな以外の捕獲方法の検討が必要
  • 混獲対策について一定数の混獲があるが、2020年度以降継続している対策で高い稼働率を維持
    • 今後も捕獲効率を下げずに、混獲・混獲致死を防ぐことができるわなの効果的な対策を検討

質問時間のまとめ

検討会では、資料をもとにした報告のあとに、内容に対する質問コーナーみたいな時間があるよ。ここではその時間にどんなやり取りがあったかまとめているよ。ただうっかり聞きこぼしている部分もあるから、全て載せているわけではないよ。

  • 奄美大島の対策している地域の在来種のインパクトをもっと評価できる、数でできるのでは
    一匹の猫がクロウサギやケナガネズミなど在来種を何頭食べているか、そういった数も出していくと在来種へのインパクトが表せるのでは
  • 被捕食動物は被食動物で良いと思うがどうか
  • 被食撮影回数720回はすさまじい数、これだけ撮影されている、貴重なデータ
    捕獲を最初にした糞分析をした結果、トータル6割くらいからトゲネズミ・ケナガネズミ・クロウサギがでた。
    撮影されたデータの割合と一致してる、併せて分析できたらと思う。
    猫が一頭どれくらい食べているかが出てくるのではないかと思う。
  • 雌猫(母ネコ)のインパクトは間違いないが、母親はこどもにあげているので運ぶ過程がある。
    そのためカメラに映りやすい。
    雄猫は大きいのでクロウサギを食べているのは糞分析でもわかっている。
    雄猫がインパクトがないわけではなく、クロウサギにとっては雄猫は脅威。
  • 雄猫・雌猫限らず猫のインパクトはあるが、個体を減らすという観点からも母ネコを捕獲したほうが良い
  • 雌猫を捕らえるというのが難しい。知る島だと、雌猫は山に潜む。島によって違うのかもしれないが、奄美でも林内に潜んでいる可能性がある。
  • 5年前に徳之島で捕獲された猫の糞から何が出てるか調べた時は、クロウサギは雄猫からしか出なかった。
    クロウサギはオスがほぼ捕まえているのかなという傾向があるのかな。
    ケナガネズミとほぼ同数だったと思うが。
  • 母ネコは確認されているけど繁殖は確認されていないとあるが、母ネコというのは子ネコがいないからという解釈か?
    • A.2022年度以前に繁殖が確認されていることがわかっている個体という事で集計している。
      繁殖はあってカメラに映っていないだけという可能性も理解しながらそれでも親子で同時撮影がなく、その後も子ネコが増えてカメラに映るということが確認されていないので、今回はそういった理解で進めている。
      今後繁殖して子ネコが出てくる可能性はある。山間部の作業内容で対応できると思うので、この形でまとめた。
    • 繁殖によって確認個体が増えているという話があったので、繁殖がある可能性を考え進めていただけたらと思う。
  • 繁殖個体が残っているエリア・残っていないエリアの違いは何か?
    • A.そのあたりを知りたいと思い、在来種の結果や地形、ネズミを餌にしているのが多いとかなどをみているが、特にこれと言った結果がまだ出ていない。風があまり当たらない地系だったりするので、そういうのが関係しているのかなと。ただデータとしては見せられる段階ではない。
  • 山の中でネコがどういう感じで新しい個体が出ていなくなるのか、子ネコの死亡率が高いとあるが、ノネコが山でどんなふうに生まれて死ぬのか、里から上がってくるのか示してもらいたい。ノネコがどんな生活をしているのか知りたい。
  • 混獲はカラスが多い。他の在来種はそんなに入っていないのではと思った。
    猫の捕獲圧は上げる方向で、餌に関しての工夫が知りたい。
    • キャットフードメインだが、そのほかに今年度は煮干しを使っている。煮干しの捕獲率が高い。
      日持ちをさせるために塩漬けの魚を使うこともあるが、猫が直接食べるとまずいので、メッシュに入れて食べられないようにしている。トッピングで鰹節やホンダシをかけるなどして、匂いがする工夫をしている

おそらく、もっといいやり取りがあったのですが、残念ながら聞き取れたのと覚えている・メモしているのはここまでです。興味深い話などもあって、すごく有意義でした。ノネコが山でどのような生活をしているのか私も知りたいので、今後もしそういったデータ出るなら楽しみだなあ。あと、オス・メスで食べる生き物の傾向が違うというのも、面白いですね。

おわり

お疲れ様でした。
しっかりと目標に向かって粛々と進めているんだなというのがわかる良い検討会でした。

まだ資料は残っていますので、もしかしたら更新しない可能性もあるんですけど
できるだけ、更新したいと思います。その時はまたよろしくお願いいたします。

サイトの管理人

奄美大島在住。生き物ニワカ勢です。ネコも割と好き。イヌも可愛いと思うし、クロウサやカエルやヘビも好きだし、でも名前が覚えられないからずっとニワカ。そのへんにいます。検討会行ってるのはただの趣味。色々思うことはあるけど、思うことがあるだけで覚えてないので言えることがあまりない毎日を過ごしています。でも楽しいです。

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